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ブログ開始10周年!

(2023/11/7)

 いやはやきょうの東京は11月の最高気温を100年ぶりに更新(27.5℃)したんだとか。そんな感じでぜんぜん11月らしくないのですが、11月です——ということは、2013年11月5日にスタートした当ブログが丸10年を超えました! パチパチ。「このブログ、実は10年前から知っているのよ」という方もいてくださるでしょうか。「最近知りました」という方、多そうな気がします。
 10年前に始めたとき、自分がどんなことを目指していたかは正直すでに記憶がおぼろです。更新するペースや書く内容・スタイルも10年のあいだに徐々に変わってきました。これからどういう方向で続けていきたいか、イメージが定まっているようないないような。ただ、わたしが翻訳を担当した本や翻訳者という仕事について、興味を持ってくださる方に思いついたことをカジュアルにお伝えできる場所として大事にしていきたいなあと思っています。これからもときどきのぞいていただけると嬉しいです。

 というわけで、きょうはこちらの記事で予告していた10周年企画のご案内です。
 超ささやかなのですが、過去にわたしが翻訳を担当した書籍で現在絶版となっているもののなかから、三作品各一冊ずつをプレゼントいたします。図書館で読めたり古書店で入手できたりする作品ではありますが、新品はなかなかレアではないかと。11/26追記:『感謝祭は邪魔だらけ』と『薔薇のウェディング』についてはプレゼントをもう一冊ずつ増やしました(『庭に孔雀、裏には死体』は手元に一冊しかないので増やせないのですが)。引きつづきふるってご応募ください。また、当選された方には無料ブックレット〈BOOKMARK〉17 (本についての本特集)を同封する予定です(わたしの翻訳担当書『ペナンブラ氏の24時間書店』の紹介文が掲載されています)。こちらは少し数がありますのでもし「近くにBOOKMARK を置いてる本屋さんがなかった! 欲しい!」という方がいらしたら、プレゼント企画の応募と一緒でも、それとは別でもOKですので、当ブログのメールフォームからご連絡ください。

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 ご希望の方は、下記のメモをご一読のうえ、当ブログのメールフォーム(右カラムの「カテゴリ」の下にあります。スマホ版でご覧の方は表示をPC版に切りかえていただければ大丈夫かと)からご応募ください。応募が重なった場合は抽選とさせていただきます。
 応募締切は11月29日。「たま〜にのぞく」という方もいらっしゃると思うので応募期間を長めに設定しました。忘れちゃいそうな方はどうぞお早めにご応募くださいませ。

*メモ*
・当選(抽選になるかどうかわかりませんけどネ)された方には、こちらからメールをお送りしますので、その時点で送付先をお教えください。教えていただいた個人情報は、本の送付にのみ利用し、プレゼント企画終了後は破棄します。
・下記の3冊のなかから欲しい作品の番号を書いてください(と書きましたが、数字が文字化けする可能性もあるので、書名も加えてください。よろしくお願いいたします。11/8追記
・3作品とも興味があるという方は第一希望から第三希望までお書きください。どれかお送りできるかも。
・よろしければ最後に、ふだんよく読む本のジャンル、好きな著者などを書いていただけると嬉しいです(必須ではありません)。
・当選された方には12月1日以降にメールをお送りします。

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①ドナ・アンドリューズ『庭に孔雀、裏には死体』(早川書房)(カバーイラスト坂田靖子)
2001年刊行。いまでも復刊・続刊を望んでくださる方がいらっしゃる、通称鳥シリーズの第1巻。20年以上前の本なので、ちょっとだけ経年感あり。この作品を訳したときの思い出がこちらの記事に書いてあります。

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②クリスタ・デイヴィス『感謝祭は邪魔だらけ』(東京創元社)(カバーイラスト橋本聡・カバーデザイン大野リサ)
2012年刊行。アガサ賞のBest First Novel にノミネートされた作品。ドナ・アンドリューズやジャナ・デリオンの作品に比べると、わりと典型的なコージーミステリと言えるかもしれません。Amazonでは好意的なレビューを読者のみなさんからいただきました。

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③スーザン・ブロックマン『薔薇のウェディング』(ヴィレッジブックス)(ブックデザイン鈴木成一デザイン室)
2015年刊行。トラブルシューターズ・シリーズ第12巻。ここ2、3年ケイシー・マクイストン『赤と白とロイヤルブルー』(林啓恵訳・二見書房)など、同性カップルの恋愛を扱った小説もぐっと人気が出てきているのはみなさんご存じのとおりです。ただし、ほんの数年の差ですがブロックマンの『薔薇のウェディング』が出たころはまだ状況が違いました。いろいろと理由があったのかもしれませんが、わたしの居住区ではシリーズ中この巻だけ図書館に所蔵されなかったんですよね。いっぽう、本書は同性婚をめぐる日本初の条例成立と刊行時期が重なったため、毎日新聞のコラムに取りあげられたりと、ファンのみなさんにたいへん喜んでいただくことができました。訳者としては思い出深い一冊。著者あとがきはいま読んでも目頭が熱くなります。

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(↑上記の記事からだとリンクが切れていたりするので、『薔薇のウェディング』に関連して二度にわたり毎日新聞に掲載された記事は写真を掲載しました)

 というわけで、今回のプレゼントは以上3作品です。果たして欲しいと思ってくださる方がいらっしゃるのか不明ではありますが、ご応募お待ちしております〜。
 先月は更新しそびれてしまったので、今月はほかにもお知らせなどありますし、またタイミングを見て記事をアップしたいと思っております。



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“刊行部数が少ない作品について”への反響

(2023/9/24)

 前回の記事ですが、正直どんな反応があるか——まったくない可能性も含めて——予想がつかなかったんですけれど、現時点でTwitterでのブログ更新投稿がRT97、いいね151、インプレッション約2.9万、エンゲージメント約1,500となっています。当ブログへのアクセス数は、前回の記事を更新してから2日ほど約300/日のユニークアクセスが続きました(それ以外の日はだいたい2桁のユニークアクセス)。
 お読みいただいたみなさま、RTなどしてくださったみなさま、本当にありがとうございました。

 引用RTという形だけでも、さまざまな反応をいただきました。以下に一部を少しまとめる形でご紹介します。

・音楽(ライブなども含む)や舞台に比べて、本は核になる情報源がなく、ファンや翻訳者・編集者などを広範にチェックしていないと(刊行されたことに)気づけない。以前は書店で新刊一覧表を見たり、ジャケ買いしたりしていたけれど、このごろはその書店が減ってしまったので……。
・日本のネットマーケティングは海外と比べると何もやってないにひとしい。海外は小さな独立系出版社が、小さいからこそネットに力を入れている。日本は経営陣の知識不足などの問題があり、売って稼いで読者に還元する(=続刊を出す)システムが旧態依然なのでは?
・自分が作品について投稿したときに、それに対して反応があると嬉しいし、ワニ町に関してはそれがあるからツイートするのも楽しい。

 上記の引用RTや返信という形に加えてDMでも、出版関係者の方から共感の声をいただきました。また、3巻で打ち切りの可能性があったことを知った読者さんが、あらためて応援を宣言してくださったりもしています。わたしがこの記事のことをお知らせしたSNSはTwitterだけだったのですが、ほかのSNSでもこのブログのリンクをはって紹介してくださった読者さんもいました。

 人によっては、上記のインプレッション数やアクセス数などたいしたことないと思われるかもしれませんが、わたしとしては「こういう問題に関心を持っている方はやはり多いんだな」と思いました。
 ワニ町は発売になったばかりの6巻についても、みなさん早々に感想を積極的に投稿してくださっている印象で、本当に喜びと感謝で胸がいっぱいです。「どうぞこれからもよろしくお願いいたします」という気持ちととともに、本を送り出す側にいる関係者がもう少し工夫をする必要性を強く感じています。読者のみなさんは「お客さま」ですよね。そのお客さまが「いま自分たちに何ができるだろう?」と考えて行動してくださっているのだから、売る側は真剣に「本当にいまのやり方がベストなのか?」「むずかしいことも多いけれど、ほかにできることがあるのでは?」と考えなおす必要があるのではないでしょうか。もちろん、すでにそういう方向で行動している出版社や個人がいるはずであるのは、前回も書いたとおりです。その動きが広まって、全体がいまよりもよい方向へ変わっていくことを切に願います。

 さて、前々回の記事に書いた、InstagramをはじめとしたTwitter以外のアカウントですが、プロフィール欄にまとめました(スマホでご覧の方はブログタイトル〈趣味は読書?〉の左の▽をクリックして表示をPC版にしていただけると見えるかと思います。お手数をおかけします)。自分の翻訳担当書についてのお知らせ投稿はまだInstagramでしかしていませんが、ほかでもこれからするつもりです。自分が翻訳を担当した作品についてみなさんに知っていただくため、できるだけ楽しく見ていただけるような投稿を目指しますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 最後に「ダンス好きのガーティは本当にいた!」な動画をどうぞ。6巻まですでにお読みの方は特に笑えるのでは。この動画を見たおかげで、翻訳するときにガーティがさらにイメージしやすくなったかもしれませんw

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ワニ町6巻もうすぐ🐊 と刊行部数が少ない作品について

(2023/8/29)

 あまりの酷暑に「あっという間」という感じではありませんが、早くも8月末。わたしが翻訳を担当しているワニ町シリーズの6巻刊行が31日に迫ってまいりました。ということで、今回はそのワニ町関連の話題と、翻訳者であるわたしが初版部数の少ない本について感じていることを少しまとめたいと思います。

 ワニ町こと『ワニの町へ来たスパイ』から始まるジャナ・デリオンのシリーズですが、8月10日に1〜4巻が同時重版となりました。この同時重版が決まったのは、こちらのブログでもご報告した教文館キリスト教書部さんでの読書会の直後。読書会を企画してくださったスタッフのみなさん、参加してくださったみなさんには、ワニ町のポテンシャルを目に見える形にしていただきましたこと、あらためて御礼申しあげます!
 先日から著者公認無料ガイドブック——シリーズ装画担当の松島由林さんのイラスト満載!——も配信されています。東京創元社のウェブサイトでは、電子書籍用のアプリがなくても読めるブラウザ版も用意されていますので、ご興味のある方はぜひ、チェックしてみてください。大矢博子さんによる2巻解説も収録されているそうです。
 また、↑上記の読書会を開いてくださった教文館キリスト教書部さんでは、オリジナルの予約特典をご用意くださっています。欲しい!という方、イーショップでも受付中とのことですのでこちらもご確認くださいませ。
 このほか、紀伊国屋書店新宿本店さんや丸善京都本店さん、未来屋書店三田ウッディタウン店さんなどでは、シリーズ全巻がそろったフェアを開いてくださっていて、前回も大好評だった応援ペーパーのバージョンアップ版が配布されています。ワニ町応援団やメイトの方にとっては既刊を思いだすときのおともに、未読の方にはシリーズの雰囲気をつかむのに最適のはずですので、お立ち寄りの際はぜひぜひお手に取ってみてください。

 さて、初版部数の少ない翻訳書についてです。
 先日、ワニ町の1〜4巻の同時重版をお知らせしたときにもちらっと投稿したのですが、2巻や3巻で刊行がとまってしまうシリーズのなかには「潜在読者に知られていないだけ」の作品があるのではないかと強く感じています。リアルにしろネットにしろ、書店に本が溢れているいま、読者のみなさんに「本の存在を知ってもらうこと」自体のハードルがとても高くなっているからです。刊行日前後に書名や著者名、あらすじなどが紹介されるだけだと、書店どころか同じレーベルのなかでも埋もれてしまう作品ってあるのではないでしょうか。
 版元も限られたリソースの配分に苦心しているのだろうなあとは思います。ただ、せっかく刊行しているのだから、少部数しか印刷されない本についても、もう少しできることがあるのではという気がするのです。これは版元や担当者によって「いや、当社は(わたしは)ちゃんとやってますよ」という場合もあるとは思うのですが。
 お金やものすごく手間をかけた宣伝を打ってほしいというわけではありません。ただ、スタートダッシュがうまくいかなかった作品についても、実際に読んだ人の感想をチェックして、SNSでのプロモーションに活用するなどしてもらえないでしょうか。
 翻訳者のなかにはフォロワー数が多くて拡散力のある人もいますが、本来は裏方的な仕事ですし拡散力には限界があります。いっぽう、出版社や編集者のアカウントは一般的に翻訳者よりも一桁か二桁多いフォロワーさんがいます。そのアカウントの力をぜひ活用してほしいのです。
 具体的には、好意的な感想投稿に「いいね」を押したり、ほかの読者さんの参考になるのではというコメントをRT/RPなどしてもらえないでしょうか。ご自身のフォロワー数はそれほど多くなくても、本の魅力を伝えるのがとても上手な読者さんはいます。また、一般の読者さんだからこそ、同じ立場の読者さんに響く視点で書けることもあると思うんです。そういう読者さんと版元公式もしくは準公式アカウントの力が合わされば、よい方向に動きだすケースもきっとあると思います。

 ここでちょっとジャンル違いですが、以前このブログでも記事にしたFFX歌舞伎の公式アカウントの話をしたいと思います。公演期間中、ゲームと歌舞伎の両方に明るいファンの方によってFFX歌舞伎に関するスペースが配信されたことがあったのですが、そのとき公式アカウントの評価がとても高かったんです。「ふつうなら、公式さん、もっとしっかりしてよ!と感じたりするけど、今回はそれがない」と。わたしもうなずきました。公演期間中、#FFX歌舞伎 を毎日チェックしていたことはブログ記事にも書きましたが、公式アカウントが観客のツイートにちゃんと目を配っていることが感じられたからです。たとえば「会場に自販機がないから、飲みものの調達は近くのコンビニで」とツイートをしている人がいると、「キッチンカーの後ろに隠れてますが、自販機はあります」という情報に加えて、近くのコンビニの場所もわかりやすく案内していました。ほかに観劇ルールを守っていない人がいるという苦情ツイートがあったときは、あらためてルールの確認のためのツイートをしたり。そうした対応が適切かつわりとすばやかったので、公式アカウントが観客の声を大事にしていることがこちらにもしっかり伝わってきました。

「専任の担当者は置けないから、細やかな対応は無理」という場合もあるとは思います。でも、ときどきでも、少部数の作品についても、版元が気にかけていることが読者に伝われば、読者も版元を信頼するだろうし、もっと応援しようと思って、さらなる投稿を工夫してくれたりするのではないでしょうか。
 いまのままでは、シリーズものの多くを2、3巻で刊行終了にさせるしかない状態がさらに悪化し、読者のみなさんの版元に対する期待や信頼感が失われるばかりという悪循環が続いてしまうかもしれません。
 そうすると数少ない(ジャンル)読者を囲いこもうと、各社・各担当者がさらに必死になり、売る側も読む側もなんだかつらく、あまり楽しくない道をひたすら進むしかなくなるような気がするのはわたしだけでしょうか。

 いま_| ̄|○ となってる出版翻訳者、少なくないと思うんです。版元のなかには、いまのきびしい状況について申し訳ないと言ってくださる方もいますが、社内での対応に統一が見られず、かえって不透明感が増してしまう場合も……。↑上でわたしが書いたことについて、「あほらし……」と思う関係者もいるかもしれませんが、翻訳料(印税)や刊行部数の面でどうにもできないなら、部数の少ない作品についてももう少し「何か」できることをさがしていただけないでしょうか。版元もしくは担当者が努力していることがわかれば、翻訳者としても少しだけ気持ちが楽になると思います。それにその努力は、翻訳者に対する「お詫びのため」だけに終わらず、じわじわとかもしれませんが、版元にとってもプラスの効果となって返ってくるはずです。
 ワニ町の邦訳は3巻までで終わりになりかけたところを、読者や出版関係者のみなさんのお力で救われました。その後、シリーズ名を広く知っていただけるようになったのは、引きつづきみなさんに応援していただけていることと、キャンペーンなどを通じて版元の力が発揮されているからだと思います。
 読者さんのあいだでの「うねりが大きくなってから」ではなく、もっと前から目を配っていれば、そしてそのことが読者さんにも翻訳者にも伝わる形で行われれば、続いて刊行できるシリーズも増え、本来好みが多様であるはずの読者さんに多様な作品をお届けできる、各方面にとって(ちょっと地味かもしれないけれど)心地いい状況が実現できたりするのではないかな、と思ったりします。

 もっと短くまとめたかったのですが、結局長くなってしまいました……。 何かと変化のスピードが速いですし、わたし自身の考えもまた変わる可能性もあると思います。うまく書ききれていないこともあるので、あらためて記事にするかもしれませんが、今回はひとまずこの辺で。
(このブログを読みにきてくださっているのはたぶん、読者さんや同業の翻訳者さんかなとは思うのですが、今回のようなことはやっぱり一度書いておきたかったので。もし版元関係の方に読んでいただけた場合は、どうかなにとぞ……🙏)

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ワニ町読書会後日談など

(2023/7/29)

 また一カ月があっという間に過ぎていました。なんか一年中こんなこと言ってるような気がしますが。でもそれなら、この酷暑もあっという間に過ぎ、次に気がついたら8月末になっているかも? いや、それはなさそう(苦笑)。
 きょうはまず、前回の記事で書ききれなかった銀座教文館さんでのワニ町読書会について少し。

✨️教会あるある
 わたしが印象に残っているお話のひとつが「アイダ・ベルたちのような女性は実在する!」です。と言っても、元○○○の女性がいるというわけではなく、信者さんのなかにDVの被害者がいた場合など、ひそかに援助の手を差しのべたりと影で暗躍(?)する女性が実際にいるのだそうです。かっこいい。そういえば、フォーチュンも1巻ではガーティたちにDV被害者である可能性をいちおう考えられていましたね。速攻で却下されたようですが(笑)。

✨️シーリアの名前
 こちらはもしかしたら読書会中ではなく、前後にスタッフの方と雑談しているときに出たお話の気もしますが、シーリアは聖セシリアにちなんでつけられた名前とのこと。信者の方って聖人の名前などにも詳しいから、こういう点にすぐ気がつかれるのがうらやましいなあと思いました。シーリアはなかなか振り幅の大きいキャラですが、7巻(来月31日に邦訳版が刊行になるのは6巻)では彼女の新たな過去が判明したりします。楽しみにお待ちいただければ!

✨️「まだまだ有ります! キリスト教とミステリー」

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 ↑読書会で配布されたペーパーです。「是非とも復活させてほしいと願うスタッフのおすすめ作品をご紹介」
 このなかでわたしの一押しは以前にこのブログでもご紹介したことのあるフェイ・ケラーマンのピーター・デッカー&リナ・ラザラス・シリーズ! 復刊フェアなどでぜひなんとか復活してほしい。先日、Amazonプライムで〈マーベラス・ミセス・メイゼル〉を観たときも、ユダヤ教徒の日常生活が描かれる場面はデッカー&リナのシリーズを思いだしたりしながら観ていました。

✨️ご夫婦での参加がふた組
 ワニ町1巻のリーディングをしたとき、男性読者にはあまり支持されないかもと考えたことは読書会でもお話しました。ただこちらの記事にも書いたとおり、強力に応援してくださる男性読者さんもいて、先日の読書会にはご夫婦での参加がふた組、奥さんと一緒にワニ町を楽しんでくださっているという男性参加者さんが一名いらっしゃいました。そのうちのおひとりが、確か生活習慣病か糖尿病の方の食事制限にかかわっていらして(←うろ覚え)、ワニ町に出てくる料理について「信仰心から生活を律している人たちのもろもろのはけ口としての食事」(大意)というような発言をしていらっしゃいました。この視点、わたしにはなかったのでおもしろい!と思いました。

✨️読書会後日談
 なんと教文館キリスト教書部の6月の売りあげベスト10にワニ町1巻がランクインしました! またまたびっくりですが、フェアを開催してくださったスタッフのみなさん、ワニ町を読んでみようと思ってくださったみなさん、あらためてありがとうございます! 参加者さんのおひとりからは松島由林さんとわたしにそれぞれお手紙をいただきました。原書にも挑戦しているけれど、邦訳も楽しみにしてくださっているとのこと。励みになります。読書会は初めてで、“新しい視点や気軽に質問できる近さ、同じ作品が好きな仲間に出会えたことが楽しかった”そう——これぞ読書会のいいところ!ですよね。すてきなお手紙をいただいて嬉しかったです。

 さて、6月のワニ町読書会は開催のきっかけから↑のような後日談まで、Twitter(わたしは当面新しい名称は使わずにいくつもりです)が大きな役割を果たしてくれたよなあと感じています。そのTwitterがいま大きく変わりつつあり、わたしはSNSの使い方について試行錯誤中です。Twitterは仕事関係でモヤッとすることもあり、正直あまり見たくないときがあります。それにイーロン・マスクのやり方は傲慢で強引だし。ただ現時点では翻訳担当書の告知や宣伝をしたり、読者さんの感想を拝見したりするのにいちばんいいのは、わたしの場合はTwitterなんですよね。それから娯楽に関する情報を得たりするにも。
 SNSと距離を置こうと考えた時期もあったのですが、いまはやはり特に仕事面で、できるかぎりの手段を使って、自分の翻訳担当書(の存在)をみなさんに知っていただくことが大事と思うようになりました。そこで、いままでログイン専用だったInstagramのアカウントも活用を始める予定。みなさんそれぞれがお使いのSNSで、よかったらときどきわたしのアカウントをのぞいてみていただけると嬉しいです。マストドン、ブルースカイ、タイッツーにもアカウントを作りましたので、そのうちこちらにまとめます。

 このごろSNSやブログは、フリーランスが告知以外の発信を行う場所としても大事と感じるようになってきました。より端的に言うなら、身を守るために。そんなこと、このブログを始めたときは考えもしなかったけれど。
 ことしは自分でもびっくりのブログ開始から10周年です。ヒジョーにささやかながらプレゼント企画を考えています。2013年11月にスタートしたので、11月にお知らせする予定です。こちらもよろしければお楽しみに〜!

 あ、あと当ブログのカテゴリに〈ワニ町〉を加えました。ワニ町がきっかけでこちらのブログを訪問くださった方は、右カラムのカテゴリにある〈ワニ町〉をクリックしていただければ、ワニ町関連の過去記事がまとまっていますので、ぜひどうぞ!
(スマホ版はタイトル下に カテゴリ 表示があるのでそこをクリックしてください)

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なぜ?と驚きがいっぱいのワニ町読書会@銀座教文館キリスト教書部

(2023/6/29)

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「盛岡には実際に通りを挟んでカトリック教会とバプテスト教会が建っている場所があるんですよ」とZoom参加の牧師さま。たちまち参加者さんから「ええ〜!」っという驚きの声——6月10日(土)、銀座教文館のキリスト教書部で開かれたワニ町読書会でのひとコマです。

 当日は当初の予定人数を超える方がお集まりくださって、なかには北海道、福井、静岡、そして宮城県からいらっしゃった方も! 4巻解説の♪akiraさん、シリーズの装画担当の松島由林さんもお忙しいなか足を運んでくださり、読書会を盛りあげてくださいました。
 当日の様子や信者の方からあったお話などは松島さんがレポをツイートしゃおさんブログ記事にしてくださっているので、ぜひそちらもご覧ください。ほかの参加者さんも感想などをTwitterにあげていらっしゃいます。”ワニ町”と“読書会”で検索すると、ご覧いただけるかと。
 今日はこの読書会が開かれた経緯などについて書きたいと思います。

 きっかけは今年2月のこちらのツイートでした。「えっ、教文館のキリスト教書部さんにワニ町?」と驚いて、わたしも引用RTなどしたところ、スタッフの方からレスをいただきました。教文館さんは銀座方面に行くとよく寄る本屋さんということもあって、ぜひとも売場を拝見せねばと思っていたところ、なんと2月の下旬に版元から連絡があり、教文館さんから「営業部経由でトークイベント出演の打診がありました」とのこと。“トークイベント”という言葉と、キリスト教関連の質問が出るかもしれないとのお話に「わたしで大丈夫だろうか……」と不安にもなりましたが、キリスト教関連の話題はスタッフのみなさんが詳しいだろうから「もし困った場合はどうかフォローを」とお願いして、お引き受けすることにしました。
 その後候補日のご連絡があり、どちらも土曜日だったのは日曜日が安息日だからだそう。なるほど。土曜日開催だったおかげで、当日Zoom経由と会場の両方で牧師さまのお話をうかがうことができたわけです。
 予定しているイベント概要もすぐにお知らせいただきました。「どうしてワニ町シリーズをキリスト教書部で置くことになったか」や「シリーズに出てくるキリスト教あるある」などのお話を書店スタッフさんのほうからしてくださるとのこと。「教会あるある」については、そのうちのひとつを事前に教えていただいたんですが、それをうかがったとき「このイベント、絶対におもしろくなる」と確信いたしました(笑)。

 訳者からお話することとしては、自分が書店イベントなどに参加するときを考えると、少しでも「ほかでは聞けない話」が聞けると嬉しいよなあと思い、ワニ町を訳すことになったきっかけに絡めて、わたしがこのシリーズのリーディング(下読み)をしたときのレジュメの一部を紹介しようと考えました。
 ワニ町は著作権エージェントから「こういう作品がありますよ」と版元に紹介/売りこみがあり、そこから翻訳出版にいたったケースです。こういう場合、編集者から翻訳者のところへリーディングの依頼が入るので、翻訳者は原作を読み、登場人物やあらすじ、所感などをレジュメとしてまとめます。この“リーディングレジュメ”は書いた翻訳者と、依頼元である編集部の限られた人しか内容を知らないことがほとんど。当日読みあげたのはレジュメのごく一部ですが、参加者さんに関心を持っていただけそうなところを選んでみました。

 ところで、一般の読者のみなさんは著作権エージェントの存在を意識することってあまりないのではないでしょうか。しかし、翻訳書の出版に著作権エージェントは欠くことのできない存在ですし、わたしはワニ町(本国ではMiss Fortune Mystery)という楽しいシリーズと出会うきっかけを作ってくれたイングリッシュ・エージェンシー・ジャパンさんに心から感謝しています。
 一冊の翻訳書が読者の手に届くまで、かかわる関係者はといえば、まず原著者、著作権エージェント、出版社、翻訳者、校閲者、装幀家、イラストレーター、解説者、印刷所、書評家、そして今回イベントを開いてくださった教文館さんのような書店が思いうかびます。いろいろと簡単ではないですが、このなかの誰もが気持ちよくそれぞれの役割を果たして、喜んでいただける本をお届けしつづけられるといいなあと思います。

 ずいぶん長くなってしまいました。当日の読書会の様子や「教会あるある」、終わってから感じたことなどについてはまたあらためて書きたいと思います——と、いったんお断りしたうえで申しあげると、当日は本当にずっとなごやかな雰囲気で、わたしもすっかりくつろいで楽しい時間を過ごすことができました。シリーズ刊行途中には残念なこともあったワニ町ですが、応援を続けてくださったみなさんのおかげで、今回は訳者としてとても幸せな体験をさせていただきました。
 読書会当日は版元東京創元社の営業部の方も会場にいらしていたので、教文館キリスト教書部のみなさん、参加者のみなさんのワニ町への熱い思いをしっかり受けとめてくださったのではないかと思います。8月の6巻刊行に向けてキャンペーンなども行われるようですので、どうぞ楽しみにお待ちくださいませ。

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(↑この読書会は“キリスト教+ミステリー本のフェア”の関連イベントでした。こちらの写真は読書会でフェア会場を使用していたあいだだけの限定ディスプレイです)

*ワニ町の著作権エージェントはシリーズ途中からタトル・モリエイジェンシーになっています。

プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
Twitter: @rhiroko
Instagram:@reepicheeph
Fedibird(マストドン):@rhiroko
Bluesky:@rhiroko
タイッツー:@rhiroko
訳書一覧はWorks 仕事をご覧ください。

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