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翻訳書ドミノ 第9回

(2015/02/22)

 『逃げるアヒル』ならぬ逃げる2月という感じで、今月は1回しか更新していないうちに下旬に突入してました……。あと何回更新できるかな。ちなみに『逃げるアヒル』の著者、ポーラ・ゴズリングは昔好きだった作家のひとり。未読のものもあるんだけど、わたしは初期のサスペンス色の強い作品が好きだったな-。

逃げるアヒル (ハヤカワ・ミステリ文庫)逃げるアヒル (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(1990/05)
ポーラ ゴズリング

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 それはさておき、今回は翻訳書ドミノの第9回。前回の『ふたりのエアリエル』から“シェイクスピア俳優が登場”つながりでコニー・ウィリスの『ブラックアウト』『オール・クリア』上下へ。この2作に登場する俳優のサー・ゴドフリーのチャーミングさときたら! わたしはおじいちゃん萌えクラスタではないけど、この2作でいちばん惹かれたキャラは彼かも。

ブラックアウト (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)ブラックアウト (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
(2012/08/08)
コニー・ウィリス

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オール・クリア 1(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)オール・クリア 1(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
(2013/04/10)
コニー・ウィリス

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 コニー・ウィリスといえば“アメリカSFの女王”と呼ばれるスーパー人気作家。日本でも熱いファンがおおぜいいますよね。そのいっぽう、長篇はその長さがハードルになってSFファン以外の本好きさんのなかには実は未読という人もいるんじゃないかと思うんだけど、いかがかしら。わたし自身が実際に手に取るまで時間がかかったから、そう思うだけかなあ。
 『ブラックアウト』『オール・クリア』は2060年から第二次大戦中のイギリスへ、オックスフォード大学の史学生がタイムトラベルする物語。ただしSF色はあまり強くないので、ジャンルに関係なく、純粋にストーリーに起伏があり、なおかつ登場人物に感情移入できる長篇小説が好きという人は楽しめると思います。
 と言っても、漠然としてますよね……。本の好みはほんと人それぞれだし。そこで、コニー未読で長篇の挑戦にためらいを感じている人はまず彼女の短篇集『空襲警報』の付録〈2006年世界SF大会ゲスト・オブ・オナー・スピーチ〉を読んでみることをおすすめします。

空襲警報 (ザ・ベスト・オブ・コニー・ウィリス)空襲警報 (ザ・ベスト・オブ・コニー・ウィリス)
(2014/02/21)
コニー・ウィリス

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 このスピーチ原稿には彼女の読書遍歴が記されていて、影響を受けた人物としてルイーザ・メイ・オルコットやアガサ・クリスティをはじめとして数えきれないくらいたくさんの作家が列挙されています。これを読んでコニーと趣味が合いそうだと思った人はOKなんじゃないかな。わたしが特に反応したのはC・S・ルイスとルーマ・ゴッデンの名前。
 ただ短篇と長篇は雰囲気が違うので、あくまでも判断材料にしてほしいのはスピーチ原稿。『空襲警報』所収の短篇にピンとこなかった人でも長篇は楽しめる場合があると思います。短篇にピンときた人はもちろんゴー!です。
 そうそ、この2作、『オール・クリア』まで読まないと何も決着しないのでご注意を(笑)。コニーが書きたいことを書いたらとっても長くなってしまって、便宜上2作に分けただけらしいです。長さが気にならないとか嘘はつきません。でも、上質のタイムトラベルらしい切なさがあって、わたしは読了後「読んでよかった」と満足感にひたりました。

 あ、もひとつそうそ。昨年末に田辺聖子を読んでみて、彼女とコニー・ウィリスって通じるところがあると感じたのでした。作風は違いますけどね。
 
 
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プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
Twitter: @rhiroko
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