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〈リスボンに誘われて〉ほか

(2014/10/13)
 きょうは最近観た映画2本と、それに関連して思い出した映画について書きたいと想います。

 一本目は〈リスボンに誘われて〉。一冊の本との出会いをきっかけに、主人公がリスボンに旅立つ――という話で、主人公をジェレミー・アイアンズが演じています。出演陣がとにかく豪華。だってジェレミー・アイアンズのほかにシャーロット・ランプリング、クリストファー・リー、レナ・オリン、メラニー・ロラン、それにブルーノ・ガンツですよ。内容はポルトガルのカーネーション革命にかかわった若者たちの物語がメインで、どちらかというと男性好みの作品という印象。革命家たちを弾圧する残忍な警官が出てくるんですが、そこから思い出したのが1989年公開の〈ミュージック・ボックス〉
 〈ミュージック・ボックス〉は父親が第二次大戦中、ナチスに協力してユダヤ人を迫害した疑いをかけられた弁護士の葛藤と、真実が明らかになっていく過程を描いた映画で、観終わったときは本当にぞっとしました。
 衝撃が強くて、後日、家でもこの映画の話をしたとき、正確には憶えていないけれど、「日本人だと、身内にあそこまで恐ろしい過去を持つ人がいる可能性はないからよかった」というようなことを言ってしまい、親に「日本の軍人がアジアで何をしてきたか、考えてみろ」とたしなめられたのも、この映画に関しては強く記憶に残っています。日本人が戦前・戦中に海外でしてきたことは、ほかの映画や本でなんとなく知っていたはずなのに、それがすっかり飛んでしまった自分が恥ずかしかったので。
 〈ミュージック・ボックス〉はベルリン映画祭で金熊賞を受賞した傑作で、ものすごく見応えのあるサスペンスでした。それなのにロードショーはわりと早く終わってしまって、前売りを買っていたわたしと友人は最終日に慌てて観にいったのを憶えています。そして観客は年配の方が多かったような。

 最近観たもう一本は〈ケープタウン〉。暴力的なシーンが大丈夫な方なら、観て損はないと思います。わたしは暴力シーンが苦手なんですが、それでもいい映画だと思いました。特にラスト近くの映像と音楽は美しかった。主演のオーランド・ブルームは、王子キャラ以外もちゃんと演じられるほんとにいい役者だと思うから、とにかくこれから出演作に恵まれるよう祈ります。
 〈ケープタウン〉はアパルトヘイト撤廃後の南アが舞台ですが、アパルトヘイトがテーマということで思い出したのが1988年公開の〈ワールド・アパート〉。もうこれはほんとにしょうもない思い出なのだけれど、観終わった瞬間に友達と「そっちのアパートだったのか!」と苦笑してしまって……。タイトルのアパートは、“apart=隔てられた”で、要するに“人種によって隔てられてしまった世界”という意味のタイトルだったんですよね。それをアパートメントの省略形だと思っていたわたしたち。アパルトヘイトがテーマの映画と知りながらも、いろんな人種の人たちが共に暮らすアパートが出てくるのだろうと勝手に想像していたのでした。でも、この邦題、同じような勘違いをした人はきっとほかにもいたはず……と思うぞ。


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プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
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