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松岡享子さんのインタビュー記事から

 〈考える人〉48号の特集は「海外児童文学ふたたび」。松岡享子さんや谷川俊太郎さんのインタビューが載っています。

考える人 2014年 05月号 [雑誌]考える人 2014年 05月号 [雑誌]
(2014/04/04)
考える人

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 リクエストが多い流行の本を公立図書館が何十冊も入れることに関連して、松岡さんがイギリスの図書館の話を紹介していらっしゃいました。

 市民の要求に応えることは大事です。けれども、バランスをとることも必要ですね。以前に、イギリスの児童図書館員のアイリーン・コルウェルさんがおっしゃっていたのですが、イギリスである子供向けシリーズが大流行したことがあったそうです。図書館の選定基準には満たない作品だったけれども、リクエストが多いので購入しないわけにはいかなかった。コルウェルさんは、最低部数いれることにしたそうですが、あっというまに借りられる。そこで借りに来た親や子どもには「残念! 今貸し出し中だわ。かわりに、これはどうかしら?」と他の本を勧めるようにしたというのです。

 学校で流行ってる本がある。まだ読んでない子が友達の話についていきたくて、その本を借りに図書館に行く。別に本は嫌いじゃないけど、特に好きでもなく、今回の目当ては流行の本だけ。そんな子が聞いたこともないタイトルの本を差し出されて、「この本、おもしろいのかなあ? このおばさん、信じられるかなあ?」と考えながらその本をじっと見つめてる。
 なんて光景を想像してしまいました。いや、差し出された本をじっと見つめて悩むのはある程度本好きの子ですかね。松岡さんのお話はさらに続きます。

「図書館ではそんな本は置きません」などと言えば、読みたいと思った読者は、自分を否定されたように感じてしまうだろう。その子の要求を認めた上で、「他にもおもしろい本があるのよ」と、上手に勧めて、質のいい本への道をうけるのが児童図書館員のやり甲斐でしょう、と話しておられました。

 この「相手を否定せずに」という部分、子どもに限らず大事だよなと思いました。ひとから否定されなければ、あとで「ほかの本も読んでみたら、あの本はたいしたことなかったかも」と自分で気がつく可能性もあるし。否定されちゃうと変な意地が生まれてしまう気がします――ってそれは私の場合?(笑)

 谷川さんのインタビューでは『100万回生きたねこ』について「普通だったらハッピーエンドと言わない、不思議なハッピーエンドです。あの作品が200万部も売れたのは、日本人の感性を信用する一つの源になるように思います」と語られているのが印象的でした。
 あと、「ピーナッツ」の著者、シュルツさんについて「もの静かで哲学者のようでした」と振り返っていらっしゃる部分も。昨年の『スヌーピー展』に行って、シュルツさんて思ったより陽気な人だったのかな?と少しイメージが変わった部分もあったのですが、実際にお会いすると哲学者みたいだったのか~。
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プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
Twitter: @rhiroko
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訳書一覧はWorks 仕事をご覧ください。

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