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翻訳書ドミノ 第4回

(2014/04/04)
 今日は翻訳書ドミノの第4回。前回はチャリング・クロス街84番地―書物を愛する人のための本 (中公文庫)について書いたので、今回は“古書店”つながりでこちらの本!↓

貧乏お嬢さま、古書店へ行く (コージーブックス)貧乏お嬢さま、古書店へ行く (コージーブックス)
(2013/11/08)
リース ボウエン

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 リース・ボウエンの貧乏お嬢さまシリーズの第2巻――と書いていていま気づいたけれど、こちら、正しいシリーズ名は「英国王妃の事件ファイル」なんですね。
 さて、この本についてわたしが一番言いたいのは「リース・ボウエン、ずるい!!」です。だって、1巻で悪い咳をしていたおじいちゃんが2巻になったらとっても元気なんだもの! 少なくとも咳が止まらない様子はなし。ま、この展開、なんとなく予想はしてましたけどね(笑)。
 このシリーズの主人公は王家の血を引く公爵家令嬢なれど、家が傾いてしまってお金に困っているジョージアナ(ジョージー)。母親が市井の出で、母方のおじいちゃんはもちろん庶民。元警察官です。このおじいちゃんがもうラブリーで。

「気管支炎だとさ。空気中の煤煙と冬の霧がよくないんだ。海辺に保養に出かけるのがいいと先生はのたまう」(中略)「いいか、保養には金がかかるんだよ。わしはいま、すごく裕福とは言えんからな」(中略)「(年金は)雀の涙低度さ。勤続年数が足りないのだ。ちょっとした喧嘩に巻き込まれて、頭を棍棒で殴られ、それからめまいがするようになって警察をやめた」(『貧乏お嬢さま、メイドになる』より)

 そんなおじいちゃんが、おなかを空かせている公爵令嬢の孫娘のためになけなしの卵を使って、料理を作ってくれるんです。「ジョージー、早くお金持ちになって、おじいちゃんを海辺の保養地に連れていってあげて!」という気持ちになります。
 1巻と2巻のあいだに保養地に行ったわけではないと思いますが(苦笑)、咳はおさまった様子のおじいちゃんが2巻ではかわいい孫娘のためにひと肌脱いでくれて出番も増え、おじいちゃんファンとしては大満足の内容でした。
 ジョージーももちろん魅力的なキャラクターです。本書で「大戦で脚を失いました」と書かれた札を置いている物乞いを見かけると、“胸がいっぱいに”なった彼女が1シリング(現在の物価に換算すると1000円ぐらい?)を置いてくる場面があるんですが、読んでいるこちらも胸がいっぱいになりました。なんて書くと優等生っぽい印象になっちゃうかな。公爵令嬢なのにメイドとして働いてお金を稼ごうとする人ですからね、基本はユーモアセンスのあるおきゃんなキャラです。

 もう、このシリーズは何かと低空飛行のときでも楽しませてくれる、わたしにとっては気分回復剤のようなシリーズです。3巻が初夏に発売とのことなので楽しみに待ちたいと思います。
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プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
Twitter: @rhiroko
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訳書一覧はWorks 仕事をご覧ください。

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