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薔薇とサムライとマローネの台詞

(2022/12/1)

 先日、ゲキ・シネで劇団新感線の〈薔薇とサムライ〉を観てきました。すっごくおもしろかった! 一分たりとも退屈している間がなく、いっぱい笑って気分爽快。



 わたしの場合、初めての劇団新感線もゲキ・シネでした。2014年に観た〈ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ〉。時系列的にはこちらが〈薔薇とサムライ〉のあとという設定です。観たあとのメモには「三浦春馬があんなに歌えるとは」と書いてありました。2019年に〈キンキーブーツ〉を観たときも「三浦春馬、こんなに歌えるんだ!」と驚いた気がするので、どうやら五右衛門ロックでの驚きは5年で記憶の彼方となっていたようです……。
 そう、五右衛門ロックⅢは三浦春馬が出演していたんですよねえ。薔薇サムは神田沙也加が出演していて、どちらもいまとなってはリピートするのにちょっとつらいところがあります。

 劇団新感線はその後2017年と18年に〈髑髏城の七人 Season風〉と〈修羅天魔〜髑髏城の七人 Season極〉を生で観る機会を得ました。ただ、いま新橋演舞場で上演中の〈薔薇とサムライ2〉は——このごろ観劇はちょっとお休みモードということもあり——まったくチェックしておらず……。先日ゲキ・シネで薔薇サムを観てから、「せめてライビュだけでもチケ取り参戦しておけばよかった……」と大いに後悔。Twitterでは天海祐希演じるアンヌ陛下の名前が毎日のようにトレンド入りする人気ぶり。こちらも早くゲキ・シネになって公開されることを期待します(このご時世だし、ライビュだけじゃなく配信もしてよ……というのが本音ですけど)。髑髏城も Season 極は天海祐希出演だったし、見応えあったのだけど、薔薇サムは観終わったあとの爽快感や、天海祐希のアンヌ・ザ・トルネード(海賊から小国の女王になる)という役へのはまりっぷりが格別。ゲキ・シネの帰りのエレベーターでは「天海祐希きれいすぎる……同じ人類と思えない……オスカル……」という会話が聞こえてきました。ほんとにね、美しさはもちろん、演技やまわりとのバランスも含めたかっこよさがもうもうもう!という感じでした。

 ところで、わたしが翻訳を担当しているワニ町シリーズの第4巻『ハートに火をつけないで』で、アイダ・ベルが「やっちまいな!」というメッセージをフォーチュンに送る場面があります。原書では Kick his ass 。実はこの訳、劇団新感線の台詞とちょっと関連があるんです。
 ↑にも書いた〈ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ〉をゲキ・シネで観たときのこと。古田新太演じる石川五右衛門の敵役、マローネ・アバンギャルド侯爵夫人(高田聖子さん)が手下たちに「やっちまいな!」と言う場面があって。マローネは薔薇サムにも登場する、すんごくイヤ〜な女なんですが、イヤすぎて小気味がよいというキャラクター(笑)。で彼女の「やっちまいな!」は「言ってみたい!」台詞としてわたしの頭にずっと刻まれていたのです。「言ってみたい!」けど、ふつうに暮らしてる人間にはなかなかそんなチャンスはめぐってこない。ところが! Swamp Team 3 (『ハートに火をつけないで』の原題)を訳していたら、ぴったりな場面と台詞に出くわしたというわけです。Kick someone's ass は「たたきのめす、やっつける」という意味。原書の表現から大きくはずれることもありません。
 薔薇サムのマローネは物語の舞台がヨーロッパということもあって、手下たちに「やっておしまい!」と言ってました。あれ? 五右衛門ロックⅢでも「やっておしまい!」だったのかな?とちょっと気になりましたが、五右衛門ロックⅢは舞台が日本だったし「やっちまいな!」だったはず……だけど、何しろお年ごろの記憶力なので、ちょっと自信なし(苦笑)。微妙な誤差はあるかもですが、言ってみたい台詞を訳文中で使えたというのは、翻訳者をやっていて嬉しくなった瞬間のひとつです。

 〈薔薇とサムライ2〉の製作発表で、天海祐希さんが出演依頼を受けたときを振り返って「(本当はもう少し違うものをやってみたいという気持ちもあったけれど)こういうご時世なのでぱっと明るく元気になれるもの//(いまの鬱々とした雰囲気を)吹き飛ばせるものをというお話だった」(大意)と語っていました。うん、人それぞれ何かしら「吹き飛ばしたい!」と感じるときってあると思うけれど、いまは特に社会全体でそういう気分が高まっていますよね、やっぱり。関東では12月8日まで上映されているので(と言っても回数が少ないのでご注意)、師走にスカッとしたい方はぜひ。DVDも出てるし、アマプラなどでもレンタルで観られるようであります。ワニ町がお好きな方はきっと大いに楽しめると思いますよ。
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プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
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