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〈ダディ・ロング・レッグズ〉

 〈ダディ・ロング・レッグズ〉@シアタークリエ、観てきました。
 2012年9月に日本初演、好評のあまりその4カ月後にアンコール上演がされたという人気ミュージカル。派手さとは無縁だけど、本当によかった。こんなに感動するとは――というわけで、わたしとしては異例の速さでレポを書きました。

 原作は言わずと知れた『足ながおじさん』。ジルーシャ・アボットを坂本真綾、ジャーヴィス・ペンドルトンを井上芳雄が演じて、最初から最後までふたりが出ずっぱりのふたりしか登場しないミュージカル。
 セットはずっとジャーヴィスの書斎とジルーシャの部屋(段差をつけてうまく区切っている)。書斎の壁いっぱいの本棚の向こうに、時に女子大の庭、時にふたりが一緒に過ごす田園の風景が透けて見えるしかけ。
 今回、こんなに楽しめたのは、第一にジルーシャ役の坂本さんの演技がよかったからだと思う。「すばらしい」とかいう言葉も使いたくないほど自然に、すーっと、観客にジルーシャとして認めさせてしまうというか。『足ながおじさん』は子供のころ好きだった作品なので、イメージを壊されたら嫌だなという気持ちがあった。でも、わりとストライクゾーンが狭いタイプのわたしでも、坂本さんのジルーシャはほんとに冒頭から好きになれた。彼女をキャスティングした人、すごいと思う。
 井上王子のジャーヴィスはちょっとだけ気むずかしそうなところを見せつつ、かっこよかったり、ヘタレだったり、人間味たっぷり。ジャーヴィスは30~32歳くらいの設定で、王子はいま34歳とのこと(さっきTwitterで教えていただいた)なので、年齢的にもちょうどいい感じ。
 坂本さん、わたしは舞台を観るのも歌を聴くのも今回が初めてだったんだけど、伸びやかな歌声で、聴いていて気持ちよかった。井上王子の歌は、もう当然ながら安心しきって身をまかせられます。

 観客席は95~98%女性(笑)。井上王子のファンの方も多かったろうけれど、このミュージカルの成功の理由は、原作の魅力を損なうことなく舞台化できている点にあると思う。『足ながおじさん』は昔から女の子に人気の小説だものね。
 あ、ただ、公式サイトの動画で脚本・演出のジョン・ケアードが「原作は英米ではさほど知られていない」という衝撃発言をしています。えええええっ。なぜ??? フランスでは人気があるらしいけど……。

 学生時代にゼミでThe Adventures of Huckleberry Finnを1年かけて勉強した身としては、このたびジーン・ウェブスターの大叔父がマーク・トウェインと知ってたいへん驚きました。いや、聞いたことはあったのに、すっかり忘れていたという可能性もあるけど。どちらにしても、情けなや。

 終演後、2度のカーテンコール。2度目はもう会場総立ちでの拍手でした。そして、今週木曜日20日の夜公演(
当初はマチネのみの予定だった)が急遽追加となり、18日(って公演日2日前ですが)から予約開始という発表が井上王子からありました。
 これはもう今後、何度も再上演されること間違いなしの作品。わたしもまた行きたいです。
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プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
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訳書一覧はWorks 仕事をご覧ください。

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