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地リスとの(再)遭遇〜『生きるか死ぬかの町長選挙』〜

(2019/11/29)

 日本でもじわじわとファンが増えつつある——と期待しています——ジャナ・デリオンのワニ町シリーズ。第3巻『生きるか死ぬかの町長選挙』が本日発売になりました。今回はワニ(アリゲーター)もアライグマも登場いたしません。代わりに(?)物語に絡んでくるのは地リス。原語ではgopher。



 地リスが出てくる本を訳すのは二作目でした。“出てくる”と言っても、地下にトンネルを掘って生活している動物なので、実際に登場するわけではないんですけどね。ひさしぶりなので調べなおしてみたところ、見た目はプレーリードッグに似ていると言っていいでしょうか? アメリカでは庭を荒らす厄介者として身近な動物のようです。日本でいうとモグラが近いのかな。学生時代、校庭にときどきモグラ塚ができていたのを思いだしました。大学が何かモグラ対策をしていたかどうかは覚えていませんが、個人の家で芝生がデコボコにされたり、大事な植物をだめにされたりしたら嫌ですよね。モグラも地リスもぱっと見はかわいかったりするんですけど……。

 さて、著者のデリオンさんですが、あるインタビューで、執筆活動を始めたときのことを次のように振り返っていました。

 わたしにとって、本は退屈や悲しみ、そのとき向き合いたくない感情から逃避する手段でした。本を書こうと決心したとき、それまでわたし自身が多くの作家から与えてもらったのと同じような逃げ道を、ほかの人たちに提供できればと思いました。

 そして実際に、読者さんたちから「闘病中や家族を看病しているあいだにあなたの本が逃げ道になってくれた」という手紙をたびたび受けとっているそうです。
 個人差はあると思いますが、読む本を選ぶときってあると思います。デリオンさんのMiss Fortune Mystery——ワニ町の英語シリーズ名です——は、波長が合う方なら、快調なときはもちろん、軽く疲れたときからかなりつらいときまで、気分転換の手段になりうるのではと感じています。このシリーズを読んだからと言って何か問題が解決するわけではないけれど、しばらくのあいだ目の前のことや疲れを忘れられたり、少し元気が出てきたりするというか。その理由はもしかしたら、軽妙さが魅力のこのシリーズについても、デリオンさんが作家を志したときの思いが根っこのところにあるからかなあと思います。
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プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
Twitter: @rhiroko
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