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GEORGE を訳すうえで参考になった本 その2

(2017/06/25)

 さて、本日は前回に続いて『ジョージと秘密のメリッサ』訳出の際に参考になった本についてです。
 
『きみに出会うとき』(レベッカ・ステッド著/ないとうふみこ訳/東京創元社)

 典拠をなくしてしまったようなのですが、GEORGE に関する原書レビューのなかに FROM THE MIXED-UP FILES OF MRS. BASIL (邦題『クローディアの秘密』)とWHEN YOU REACH ME(本書)を彷彿させると書いているものがあったので再読しました。ニューベリー賞受賞作品。ネタバレになってしまうのでキーワードを書くのを避けますが、これは年齢性別にかかわらず楽しめるばかりか、とっても再読向きの本。いまAmazonで見ると古書しか流通していないようなんですけど、もったいない! ぜひ文庫や電書などで出版していただきたい。
 参考になったのは描かれているアメリカの学校の雰囲気や訳語の選び方です。『ジョージ〜』では kindergarten を“五歳児クラス”と訳しましたが、それは本書に倣いました。

『弟の夫』1〜3(田亀源五郎著/双葉社刊)

 離婚して娘の夏菜をひとりで育てている弥一と、弥一の双子の弟(故人)の夫でカナダ人のマイクの物語。各巻、「マイクのゲイカルチャー講座」というのがところどころ挿入されていて、LGBTについても触れられていたりします。
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 夏菜が小学生という設定なので、マイクに対して差別的な態度をとる同級生のお母さんやカミングアウトに悩む中学生が出てきたりという面で参考になりました。文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作品ということもあり、『ジョージと秘密のメリッサ』で“いろいろな性”に興味を持ってくれた人がいたら、幅広い年齢層の人に薦めやすいかなと思いました。最終巻になる4巻が7月12日に発売予定。

『いろいろな性ってなんだろう? 』(渡辺大輔監修/ポプラ社)

 昨年、「教科書にLGBTを!~学習指導要領を変えよう5・17シンポジウム~」というイベントに参加したのですが、そこで紹介されたので読んでみました。前回ご紹介した『カラフル〜』は翻訳書ですが、こちらは日本オリジナルの本ですので、当事者たちの声がより身近に感じられるかもしれません。対象年齢が小学校中学年以上で、『ジョージ〜』の読者世代にぴったりなガイドブックという印象を受けました。

 LGBTに関してはまだまだ理解が進んでいないという現実があり、わたしも用語など混乱したり忘れたりすることがあるですが、関連した本は探すと興味を惹かれるものがつぎつぎ見つかったりします。チェックしておきながらまだ読めていないものが何作もありますので、またよい作品があったら記事にしますね。

 本ではないのですが、アメリカの学校システムについては織井弥生さんの〈子どもの可能性を引き出すアメリカ最新教育事情〉というコラムが参考になりました。以前こちらの記事に少し書いていましたので、よろしければお読みください。


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プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
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