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ぴんとこない

(2016/02/17)

 ルース・レンデル女史の前でしばし、悩む。むかしからよく、ミステリに詳しい人にレンデルがお好きでしょうと言われるのだけれど、じつは微妙に、ぴんときていないのである。レンデルは多作だし、わたしは自己流で選んできたので、もしかしてはずればっかり読んでるのかも、と内心、とても不安に思っていた。

 ↑は『少年になり、本を買うのだ 桜庭一樹読書日記』からの引用です。二、三年前にこの箇所を読んだわたしは「こういえばいいのか!」と膝を打ちました(ちと大げさ?)。



 レンデル作品がどうこうという話ではありません。
 本や映画に関して、知り合いの多くが絶賛しているのに、自分はどうも乗れなかった……ということがときどきあります。ほかの人の感想を聞いたり、ツイートを読んだりして、「おもしろそう!」と期待して手にとったり、映画館へ足を運んだりしたら、「あ、あれ?」という感じ。
 ようするに、「自分にはほかの人がいいというポイントがいまいちわからなかった」わけです。ここで、その作品の話になったときにうっかり「どこがいいのかわからない」なんていい方をしてしまうと、批判のように響いてしまいます。すると、カチンときた支持派の人から「こちらはあのよさがわからない人がわからないわ!」といわれたりして、こちらはそのことにカチンときて、なんだかその場がどよよ〜んとした雰囲気に……なんてこともあるかも?
 いっぽう「ぴんとこない」といういい方は、響きにゆるさがあるし、「あくまでも個人の好み」という感じが出るので平和です。たとえば、わたしがすごくいいと思っている作品を、だれかに「わたしはぴんとこなかったな〜」といわれたとしても、「あれ、そうでした?」ぐらいでおわりそうな気がします。
 そんなわけで、桜庭さんの文章を読んでから、わたしはたいへんお世話になっている気がします——「ぴんとこない」に。このブログではこちらの記事で使っていました。

 ちなみに桜庭さんはその後『長い夜の果てに』(バーバラ・ヴァイン名義)でレンデルのおもしろさを堪能されたようです。レンデル・ファンの方はご安心を〜。




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プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
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訳書一覧はWorks 仕事をご覧ください。

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