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柴田元幸さん@葛西図書館

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 12月5日、〈世界文学を愉しもうvol.3〉という柴田元幸さんのトーク&朗読イベントがあったので、葛西図書館に行ってきた。
 このイベント、一年に一度開催していて、ことしで3年目とのこと。定員は50名。どういうご縁で始められたのかな? なんかこぢんまりして居心地のいい会だった。前日にTwitterのMONKEYアカウントのつぶやきで知ったのだけど、前日でも若干空きがあった。図書館側は来年も開催したいとのお話だったので、その際にはぜひまた参加したい。江戸川区民以外も参加できます(わたしも江戸川区民ではありません)。

 当日決めたとおっしゃることしのテーマは“アメリカ”。ヨシフ・ブロツキー、ナサニエル・ホーソーン、アグネス・オーウェンズアイザック・バシェヴィス・シンガーの短篇や絵本、詩を朗読を交えて紹介しつつ、“アメリカ的なこと”“アメリカの理想”などについて語られた。
 わたしはホーソーン以外は知らない作家ばかりだったのけど、どの作品もおもしろかった。特にアグネス・オーウェンズの「機能不全家族」は語り手の女の子がエリア・カザンの映画《ブルックリン横丁》の主人公を思い出させるところがあって、おかしみと切なさの按配がよかった。
 印象に残ったのは、理想から遠ざかるアメリカと家族(小説)にまつわるお話。「昔のアメリカの小説はハックやギャツビーなど孤児のようなキャラクターが多く登場した。しかし、ここ20年で“家族”の話が増えてきた。アメリカ人に訊いてみると、50年代《パパはなんでも知っている》などのテレビ番組で核家族の理想ができあがった。しかし、いまの現実は家族が壊れ、理想との落差が大きくなっている。ロシアなら“それが人生だ!”となるところを、アメリカはそれでも理想を追いかける」といったようなことをおっしゃっていた。
 家族の話が増えてきたのってわりと最近なんだなとか、この“理想とのギャップを埋めようとする”ところがアメリカの魅力でもあり、苦しいところでもあるのかなあなどとつらつら考えた。

 柴田さんの朗読は初めて聴いたけど、おばさんや少女の台詞もすごくしっくりきてよかった。あれはやはりご自分の訳だからだろうか。ちょうど柴田さん訳のオースターの『ティンブクトゥ』を読んでいたときだったので、続きを読む際も柴田さんの声が聞こえてくるような気がした。
 話がそれるけれど、朗読というと大学時代の米文学史の授業を思い出す。エレガントなマダム風のI先生がときどき、原文を読みあげてるうちに演技の域にはいっちゃって楽しかったのだ。南部の荒くれ者になりきっちゃったりすると、外見との差が大きくて(笑)。I先生、きっと演劇部だったんじゃないかな。授業の内容より、こういうことのほうが記憶に残ってるわたしもどうかと思うが。
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プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
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