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なんちゃってダーニングとルーマー・ゴッデンの『人形の家』

(2020/11/29)

 少し前にダーニングを知り、カーディガンや靴下にあいてしまった穴をつくろったり、マルチカバーの落ちないしみを隠したりするのにトライしています。知った当初は「このごろ流行だしたのかな?」なんて思っていましたが、数年前から雑誌で特集されたりしていたんですね。
 ダーニングのいいところは、うまくできなくても、わりとかわいく見えるところ。先日あさイチに出演されていた野口光さんも「ヘタウマくらいがかえっていい」っぽいことをおっしゃっていたし(たしか……笑)。いちおう穴がふさがるなどしたあとも、そのまわりにまた何かデザインを足してみてもおもしろそう。というか、そうすると、ヘタすぎて、われながらイマイチなしあがりでも、カバーできそう(苦笑)。いまは Pinterest などで検索すれば、かわいいダーニングの例が簡単に見つかるので、それを眺めながら、今度はどんなふうにしよう、こういう感じならわたしにもできるかな〜などと考えるのもいと楽しです。

 ダーニングを知ってから、(このブログで何度も書いてる)『あしながおじさん』の原書オーディオブックを聴いていたら、"darn"が出てきました。

By the time I'd got all my beds made and my babies' faces washed and had gone to school and come home and had washed their faces again and darned their stockings and mended Freddie Perkins's trousers(he tore them everyday of his life)

 こういうふうに、何かちょっとしたことで、いままで聞き流していた単語が耳にとまるようになったりするのも楽しい。

 手先が器用ではないわたし——だから、ダーニングにも“なんちゃって”をつけたくなるんです——が、ときどき手芸っぽいことをしてみたくなるのには、小学生のころに読んだルーマー・ゴッデンの『人形の家』が影響しているような気がします。

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 物語の「主役」はトチーという木の人形なんですが、トチーをはじめとした人形たちの持ち主、エミリーとシャーロットという姉妹が、人形たちのために服を縫ったり、人形の家を直していく様子が本当に魅力的に描かれていて! 「買う」のではなく、「手近にあるもので工夫してみる」ことの楽しさをわたしに教えてくれた本です。

 エミリーとシャーロットはすぐ、このひとがもともと小さな男の人形として作られていたことに気づきました。ふたりはお湯でそのほこりとのりをきれいに洗いおとし、ていねいにかわかしました。口ひげはどうしても消せませんでしたが、悪い方の足には、靴下をあんでやり、すりむけた手のひらにはシックイをぬってやりました。また、ふたりのおかあさんが、格子じまのフランネルの背広と、水色のワイシャツ、赤い絹のリボンのネクタイを作ってくれました。エミリーは、ほんものの新聞紙を切って、このひとの読む小さな新聞をつくりました。
(↑トチーの「おとうさん」ということになっているプランタガネットさんが修復されたときの描写。よその家でほったらかしにされていたのを、エミリーがもらってきたのです)

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(↑プランタガネットさん)

 この本、装画と挿絵が堀内誠一さんなんですよねえ。子どものころは画家の方のお名前を注意して見ていなかったので、欧米の画家さんの作品だとばかり思っていました。この本がわたしにとってたいせつな本になったのは、内容のすばらしさはもちろんですが、堀内誠一さんの絵の力も大きかったと、おとなになってからしみじみと感じています。

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(↑この章扉の絵、大好き♪)

プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
Twitter: @rhiroko
Instagram:@reepicheeph
Fedibird(マストドン):@rhiroko
Bluesky:@rhiroko
タイッツー:@rhiroko
訳書一覧はWorks 仕事をご覧ください。

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