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コメント

Asia Insight と『渚の忘れ物 犯罪報道記者ジムの事件簿』

 先日、Asia Insight「立ち上がるトランスジェンダー~タイ~」という番組を観ました。性に関する多様性がたびたびメディアで取りあげられるようになってひさしいけれど、そんななかタイはLGBTに対してとても寛容だというイメージをわたしも持っていました。でもこの番組を観たら、医師としての資格を得たのにトランスジェンダーであることを理由に採用を断られた人などが登場し、認識が少し変わりました。

 この番組を観ていて思いだしたのがタイが舞台の『渚の忘れ物 犯罪報道記者ジムの事件簿』(コリン・コッタリル著/中井京子訳/集英社文庫/2015年刊行)です。愛すべきキャラクターが多数登場し、後半に入ってからはそれぞれの魅力がぐんぐん増していった覚えがあります。主人公の“元兄今姉”シシー、ゲイの警官チョムプーなど、LGBTのキャラクターも出てきました。スラップスティックな“社会派ユーモア・ミステリ”。わたしが翻訳を担当しているワニ町シリーズがお好きな方はこの作品とも相性がいいのではないかと思います。
 訳者の中井さんご自身がタイ好きとのことで、訳者あとがきの内容がとっても充実しています。一部ネタバレになる要素が含まれているので、読むのは本文読了後がおすすめですが、タイのクーデターや人身売買、労働問題など、ストーリーの背景についての理解がぐっと深まります。

 著者のコリン・コッタリルはロンドン生まれでイギリスとオーストラリアの二重国籍とのこと。東南アジアでの暮らしが長く、彼の作品にはアジアに対する“期せずして上から目線”的なところがないのも、わたしは好きです。




プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
Twitter: @rhiroko
Instagram:@reepicheeph
Fedibird(マストドン):@rhiroko
Bluesky:@rhiroko
タイッツー:@rhiroko
訳書一覧はWorks 仕事をご覧ください。

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