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『ロザムンドおばさんの贈り物』

(2017/11/30)

 ひえええ、2カ月以上も更新の間隔が空いてしまいました。その間に当ブログは開始から丸4年が経過して5年目に入り、でも開始以来、毎月最低でも1回は記事を書いてきた記録が途切れてしまったのでした……。とはいえ、途切れたものは再スタートすればいいのさ。ということで、本日はひさしぶりに本のお話。『ロザムンドおばさんの贈り物』(ロザムンド・ピルチャー著・中村妙子訳・朔北社刊)です。



 いま各地の書店で「はじめての海外文学 vol.3」というフェアが開催されています。わたしはまだ協力店さんのほうへ足を運べていないのですが、フェアについて詳しいことはこちらのページをごらんください。フェア用の本を選んだのは全員がプロの翻訳者。わたしもvol.2の去年から参加させていただいています。で、ことし選んだのが『ロザムンドおばさんの贈り物』なのです。
 ピルチャー作品が日本に紹介されたのは本書が最初。1993年なので、いまからもう四半世紀近くも前になるんですね。すぐ人気に火がつき、ピルチャーさんの著作はほとんどが邦訳されました。
 今回、選書のために再読してみて、ああ、なんて気持ちがいい本なんだろう……と、読みながら日頃の疲れがするする抜けていくのを感じました。でもねでもね、ひょっとしたら未読の方が先入観として抱く“温かくて心地いいだけの本”じゃないのよ、この短編集は。というかピルチャーさんの作品は。

「……ひとりぼっちになることも、わたしには恐ろしいこととは思われませんのよ。ひとりになっても、わたしはわたしなんですから。アーノルドを愛してはいても、フェアウェイを殉教者のような気持ちであの人について歩こうとはさらさら考えませんわ」

 これはこの短編集のなかで、恋人との結婚に迷う20代の女性に年配のご婦人——15歳年上の夫と長年幸せな結婚生活を送っている——が言う台詞。わたしは本書の推薦コメントに「人生の示唆に富んだ」という文句を使いましたが、それはこの台詞が念頭にあったから。ピルチャーさんの作品は本当にいろんなタイプの——ときに意外性のある——女性が登場するところが魅力のひとつ。いまは邦訳で流通している本が少なくなっていますが、ピルチャー作品は手元に置いてときおり読み返してみると、気持ちに余裕が出たり、ひょっとしたら日々の過ごし方、人との接し方の方向修正のヒントが見つかったりもするかもしれません。

 つい先日、やまねこ翻訳クラブ20周年の記念イベントに参加したのですが、そこでもピルチャー作品が好きという同業者の方おふたりとお話ができ、嬉しかったです。


プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
Twitter: @rhiroko
Instagram:@reepicheeph
Fedibird(マストドン):@rhiroko
Bluesky:@rhiroko
タイッツー:@rhiroko
訳書一覧はWorks 仕事をご覧ください。

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