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心の地平を広げる読書

(2016/07/23)

 先月、ある読書会に参加するためにジョージ・マクドナルド著『北風のうしろの国』を読みました。

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 『ナルニア国ものがたり』の著者C・S・ルイスにも少なからぬ影響を与えたと言われるマクドナルド。以前から気にはなっていたものの、なかなか読む機会がなかったのです。
 読了には思いのほか時間がかかってしまったのですが、読書会に行ったら、同じような人がいてほっとしました(笑)。
 雑誌連載したものを単行本にまとめた作品ということで、ところどころ「行き当たりばったり」な感じのある作品でした。そうした展開も含めて、本書を読みながら、わたしの頭に何度も浮かんだのは「おおらか」という言葉でした。
 気に入った文章や好きなキャラクター(馬のダイアモンドじいさん♡)がありつつも、なかなか感想をまとめにくい作品だったのですが、訳者の中村妙子氏のあとがきに大きくうなずく箇所があったので、引用します。

 いったいにマクドナルドの作品はあちこちにちりばめられている珠玉のような言葉から——というより、その雰囲気から、読者自身が心の地平をひろげていくといった読みかたが一番ふさわしいのではないだろうか。「赤ちゃんって、ナンセンスな歌そっくりだね。いままで起きていたと思ったら、もうぐうすか眠っちゃって」というダイアモンドの感想(二九二ページ)、遠くの歌声についての北風の述懐(九六ページ)は、そのままマクドナルドの作品の本質である。

 この部分を読んで、わたしは「あまり細かくつきつめなくても、場面場面、漠然と雰囲気を楽しむ読書でもよかったよね」と、すとんと今回の読書が納得できたのでした(わたしの読み方はチトおおざっぱすぎるかもしれませんが……)。何より「心の地平をひろげていく」ってすてきな言葉ですよね。読書会では、ほかにもやはりこの言葉が心に残ったという方がいらっしゃいました。
 本書にかぎらず、ほかの本の読書でも心の地平を広げていけたら、と思います。


(↑わたしが読んだのは旧訳版ですが、脇明子氏による新訳版もあります)




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〈ME AND MY GIRL〉

(2016/07/11)

 むむむ、間隔が空くのが続いてしまいました。もっとサクサク更新したいんですけど。さて、きょうは先日観てきた宝塚花組の〈ME AND MY GIRL〉について少し。

〈ME AND MY GIRL〉は30年ほど前、語学研修という名目(笑)でロンドンに滞在していたとき、「せっかくだからまずはイギリスらしいミュージカルを」と最初に観にいった作品。ところが、なんと幕が開いたあとに機材トラブルが起き、その日の公演は中止に! 後日、チケット振り替えで最後まで観ましたが、劇場支配人(ぽい人)が説明のために舞台に出てきたときに「これも演出の一部???」なんて思ってしまった間抜けな思い出があります(苦笑)。

 宝塚版を観てから、昔買ったプログラムを出してきてみたら、衣装やら演出やらウェストエンドのオリジナルに驚くほど忠実だったことがわかりました。

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 で、花組の舞台がどうだったかというと……もうねー、とってもよかったです!!!



 あらすじや登場人物については、冒頭のリンク先に詳しく載っているので、そちらをご覧になってください。とにかくトップさん、二番手さん以外も見せ場があって、すみずみまで楽しめました。これは元の脚本がいいせいもあるでしょうが、みなさん楽しんで演じているのが伝わってくるし、歌の完成度も高かった気が(特にマリア公爵夫人役の仙名さん——でよかったかな?)。キャラクターとしてコミカルで面白かったのはヘアフォード家の弁護士、バーチェスター。わたしたちが観た日は柚香光さんでした。今回はいくつかの役が役替わりで楽しめるんですけど、違う組み合わせも観たかったな〜。
 エンディングでは急に涙がボロボロこぼれて、自分でもびっくり。主人公のビルと恋人のサリーが別れを余儀なくされそうになりつつも……というハッピーエンドだし、そこまで切なさが強調されていたわけでもないのに。終演後、ご一緒したWさんに話したら、Wさんも涙腺を刺激されたとか。楽しく幸せな作品でも、感動すると泣けたりしますよね。そして、感動したのはやっぱりエンターテインメントとしての完成度の高さ、明日海さん演じるビルと花乃さん演じるサリーの温かかったり、けなげだったりするキャラクター作りがしっかりしていたからではないかと思います。
 ミュージカル本篇がたっぷりだったからしかたないんですけど、フィナーレというかレヴューももっと長かったらなあなんて思ってしまった。いつまでも観ていたい、そんな舞台でした。




プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
Twitter: @rhiroko
Instagram:@reepicheeph
Fedibird(マストドン):@rhiroko
Bluesky:@rhiroko
タイッツー:@rhiroko
訳書一覧はWorks 仕事をご覧ください。

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