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書店イベント〈デジタルと本のハイブリッド小説が問いかけるもの〉

(2014/10/26)
 下北沢の書店〈B&B〉で行われた『ペナンブラ氏の24時間書店』関連イベントに参加してきました。イベントの概要についてはこちらの告知をご覧くださいませね。
 編集者/文筆家の仲俣暁生さん(ロビン・スローンについてとても詳しい!)、ゲームクリエイターで『ペナンブラ氏の24時間書店』にそれはもうわくわくする解説を書いてくださった米光一成さん、今回会場となったB&B店主の内沼晋太郎さんによる鼎談(ていだん)です。わたしもぜひお三方のお話をうかがいたかったので当日編集さんと会場に行き、訳者としてご紹介いただいた際に本書と出会ったきっかけなどについて少しお話しました(この部分についてはまた別記事でちょこっと書くつもりです)。

 〈B&B〉はほんとにすてきな書店でした! すごーく居心地がいい。置いてある本も、その陳列のしかたもすてき。前からおもしろそうなイベントを開催されているので、興味津々のお店だったんです。お店の写真はこちらを見ていただくといいかな。

 『ペナンブラ~』を未読の参加者さんもいらっしゃったので、ネタバレしないよう魅力を語るのはお三方とももどかしそうでしたが、「日本にもニール・シャー(本書に登場するオッパイ物理学のエキスパート(笑))みたいなやつっているの?」という質問に米光さんが答えられたりしているうちに、「早く読みたい!」とイベント中に本をお買いあげくださっている方もいらっしゃいました。
 10分くらいの休憩を挟んで2時間超、「ジャンル分けがむずかしい本をどう売るか」という問題についてのディスカッションなどもあり、参加者さんからいろんなアイディアが出ました。『ペナンブラ~』はギーク系の人にももっと読まれるべきではないかと。当日出た意見を下にいくつか紹介しますね。

・帯を数バージョン作っては?(ギーク系の人の目に留まるように「シンギュラリティ」などの本書に出てくるキーワードがはいったものとか)
・24時間トークイベントの開催(著者のロビン・スローンは実際、アメリカでやったらしい)
・〈B&B〉さんで1日だけ24時間書店を実際に開店してみる。
・オーディオブック化やコミック化
・書店で翻訳小説以外のコーナーにも置いてもらう工夫。
・クラウドファンディングで著者を日本へ招く。
・IT会社の社長に読んでもらって宣伝してもらう。
・出版社でbotアカウントを作っては?

 そうそう、本書と接続しやすい日本の小説がない→森博嗣さんや長嶋有さんが書いてくれればいいのにね、なーんて話も出てました。それはさておき、最後のbotに関しては、米光さんがツイッターで「#24時間書店」のハッシュタグを作っていらして、気に入った箇所を引用してみたら反応がよさそうだとのこと。そこでわたしも(拙訳ですが)心に残ったセンテンスの引用をこのハッシュタグに乗って始めました。よろしかったら、#24時間書店をチェックしてみてください。
 ほかにわたしにできることって何があるかな。
 
 〈B&B〉さんが11月に横浜パシフィコで行われるこちらのイベントに出店されるので、そこでも仲俣さん、米光さん、内沼さんでトークセッションを行う予定とのこと。拙訳書にかぎらず、お三方の本をめぐるお話はとても刺激的なので、わたしもまたうかがえたらなあと思っています。

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〈リスボンに誘われて〉ほか

(2014/10/13)
 きょうは最近観た映画2本と、それに関連して思い出した映画について書きたいと想います。

 一本目は〈リスボンに誘われて〉。一冊の本との出会いをきっかけに、主人公がリスボンに旅立つ――という話で、主人公をジェレミー・アイアンズが演じています。出演陣がとにかく豪華。だってジェレミー・アイアンズのほかにシャーロット・ランプリング、クリストファー・リー、レナ・オリン、メラニー・ロラン、それにブルーノ・ガンツですよ。内容はポルトガルのカーネーション革命にかかわった若者たちの物語がメインで、どちらかというと男性好みの作品という印象。革命家たちを弾圧する残忍な警官が出てくるんですが、そこから思い出したのが1989年公開の〈ミュージック・ボックス〉
 〈ミュージック・ボックス〉は父親が第二次大戦中、ナチスに協力してユダヤ人を迫害した疑いをかけられた弁護士の葛藤と、真実が明らかになっていく過程を描いた映画で、観終わったときは本当にぞっとしました。
 衝撃が強くて、後日、家でもこの映画の話をしたとき、正確には憶えていないけれど、「日本人だと、身内にあそこまで恐ろしい過去を持つ人がいる可能性はないからよかった」というようなことを言ってしまい、親に「日本の軍人がアジアで何をしてきたか、考えてみろ」とたしなめられたのも、この映画に関しては強く記憶に残っています。日本人が戦前・戦中に海外でしてきたことは、ほかの映画や本でなんとなく知っていたはずなのに、それがすっかり飛んでしまった自分が恥ずかしかったので。
 〈ミュージック・ボックス〉はベルリン映画祭で金熊賞を受賞した傑作で、ものすごく見応えのあるサスペンスでした。それなのにロードショーはわりと早く終わってしまって、前売りを買っていたわたしと友人は最終日に慌てて観にいったのを憶えています。そして観客は年配の方が多かったような。

 最近観たもう一本は〈ケープタウン〉。暴力的なシーンが大丈夫な方なら、観て損はないと思います。わたしは暴力シーンが苦手なんですが、それでもいい映画だと思いました。特にラスト近くの映像と音楽は美しかった。主演のオーランド・ブルームは、王子キャラ以外もちゃんと演じられるほんとにいい役者だと思うから、とにかくこれから出演作に恵まれるよう祈ります。
 〈ケープタウン〉はアパルトヘイト撤廃後の南アが舞台ですが、アパルトヘイトがテーマということで思い出したのが1988年公開の〈ワールド・アパート〉。もうこれはほんとにしょうもない思い出なのだけれど、観終わった瞬間に友達と「そっちのアパートだったのか!」と苦笑してしまって……。タイトルのアパートは、“apart=隔てられた”で、要するに“人種によって隔てられてしまった世界”という意味のタイトルだったんですよね。それをアパートメントの省略形だと思っていたわたしたち。アパルトヘイトがテーマの映画と知りながらも、いろんな人種の人たちが共に暮らすアパートが出てくるのだろうと勝手に想像していたのでした。でも、この邦題、同じような勘違いをした人はきっとほかにもいたはず……と思うぞ。


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〈The Lost Glory -美しき幻影-/ラテン・グルーヴ パッショネイト宝塚!〉

(2014/10/02)
 宝塚の星組公演〈The Lost Glory ー美しき幻影ー/ラテン・グルーヴ パッショネイト宝塚!〉を観てきました。

 宝塚の大劇場公演を観るのは5月に行った蘭寿さんの退団公演〈ラストタイクーン/TAKARAZUKA 夢眩〉以来。宝塚らしい華やかさが満喫できる舞台でした!
 今回のお芝居〈The Lost Glory -美しき幻影-〉はシェイクスピアの『オセロー』を題材にした物語。オセローがモデルのオットー役が専科の轟悠さん、イアーゴーがモデルのイヴァーノ役が柚希礼音さん。悲劇ではあるけれど、『オセロー』に比べると希望を感じさせるエンディングでした。柚希さんと轟さんが、迫力と哀愁の演技で観客を魅了します。あと、わたしは(いささかベタでも)“差別されていた人種や身分の人が教育を受ける機会を得て人生を切り拓いていく”という話に弱いので、オットーの使用人サムの最後の台詞に涙腺を刺激されました。宝塚を観て涙ぐんだのは初めてかも。
 時代設定が狂騒の20年代で、なんとアルマーニが衣装協力とのこと。舞台セットはペットボトルを使って表現した摩天楼がモダンできれいでした。

 休憩後はひと幕まるごとレヴューの〈ラテン・グルーヴ パッショネイト宝塚!〉。今回はお芝居のほうも主人公と敵役がギリシア系移民とイタリア系移民ということで、濃いめのドーランを使っていましたが、レヴューではさらに濃い色に。写真やビデオだといまいち魅力的に見えないかもしれないけれど、これは生で見たほうがずっと自然でした。とはいえ、出演者もふだんと勝手が違うので、「全員ただ黒いだけになっても困るし」とそれぞれ色選びなどに苦労したみたいです(宝塚はメイクも各自がするんですよね)。
 おおむねノリのいい曲が多かったかな。とにかく二幕を観終わったあとは「あー、楽しかった!」とすごくリフレッシュできて幸せでした。そんななか、レヴューで特に魅了されたのは↓の映像の0:11秒あたりにも映ってますが、ブラジルの国技カポネイラ(格闘技とダンスの中間のようなもの)を取り入れたシーン。これは本当にかっこよかった!




 そして礼真琴さんは今回も歌がすばらしかったです。体は大きくないのに、発声がいいのか、他の出演者とは声の伸びが段違いなような。

 個人的になぜかいま太鼓な気分なので(笑)、今度の公演は一幕はジャズドラム、二幕はティンパニーが効いていたのがツボで、気がつくと体が揺れてました――ってまわりに迷惑(苦笑)。

 つぎは11月に花組の〈エリザベート〉を観にいきます。これ、本当にチケットが取れなくて、当日券に並ぶことも考えていたのだけど、なんと兵庫の大劇場ではみなさん前日から並んだりしていたそうですね。前日からはきっとわたしの体力じゃ無理だったわ……。ともあれ、最後の最後にチケットが取れたので、星組を観劇した日も劇場で心安らかに(笑)エリザのポスターを眺めることができました。チケット取ってくれたお友達に感謝♪(わたしは抽選もすべて全滅でした~)

プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
Twitter: @rhiroko
Instagram:@reepicheeph
Fedibird(マストドン):@rhiroko
Bluesky:@rhiroko
タイッツー:@rhiroko
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