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〈KINGDOM〉

(2014/07/29)
 先日、宝塚月組の特別公演〈KINGDOM〉を観てきました。昨年上演された大劇場公演〈ルパン-ARSÈNE LUPIN-〉のスピンオフです。
 諜報活動に携わる若者ふたり、ロナルド・ドースンを凪七瑠海(なぎなるうみ)さん、パーシバル・ヘアフォール伯爵を美弥るりかさんが前作に続いて演じました。この公演はつぎの二番手争いの意味も持っていたとか。

ルパン
昨年の〈ルパン〉のプログラムから。(黒燕尾服左が美弥さん、右が凪七さん)

 凪七さんは嵐の大野くん似、美弥さんは麻美れいさん似とタイプがまったく異なります。デュエットでは凪七さんのほうが歌がうまいかな~と思ったけれど、ソロではどちらもよかった。
 プログラムの演出者コメントに“二人ともどちらかというとおさまった役創りをしてしまうタイプだと思うので、型を破り、若さゆえのものを表現してくれたらと”とあって、なんとなく学校っぽさが感じられるところがいかにも宝塚(笑)。

 物語の舞台は20世紀初頭のイギリス。亡命の道を模索するロシア皇帝ニコライ2世の側近とそれに手を貸そうとするイギリス国王ジョージ5世(現イギリス女王エリザベス2世のおじいちゃん)、そして反王制派――それぞれの思惑が入り乱れるなか、間近に迫ったジョージ5世の戴冠式で使用される巨大ダイヤモンドをめぐって不穏な動きが……というストーリー。
 ルパンものの荒唐無稽さと華やかさ、それと少しの切なさを盛りこんだ舞台は宝塚にぴったりでした。
 ルパン本人は登場しないけど、彼の○○であるヴィクトワールが謎めいた役どころで登場。シャーロック・ホームズもちょっとだけ登場しましたが、かなりコミカルなキャラクター設定でした。ルパンものに登場するホームズはホームズ・ファンの不興を買いかねない描かれ方が多いけれど、ここまでやってしまえばかえって笑って許してもらえるかも……という感じでギャグの域に達してました。

 はあ、それにしても男役さんの黒燕尾サイコー!(笑)
 つぎに観にいく宝塚公演は9月の〈The Lost Glory -美しき幻影-〉の予定。お友達のおかげでチケットが確保できました♪ 轟さんと柚希さん、夢咲さんの共演が楽しみです!!!

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JBのイメージ一新

(2014/07/22)
 JB――ジェイムズ・ブラウン――というと、わたしは映画《ロッキー4》の主題歌となったLiving in America を最初に思い出します。彼を知ったのがこの曲のPVでだったから。80年代以降のJBは奥さんに対するDVをはじめとして数々の警察沙汰を起こしていたので、お騒がせ有名人の筆頭というイメージを持っていました。日本では“ゲロッパ!”とか“どことなくオバさんぽい風貌”とか、ちょっとふざけた話題で取りあげられることも多かったですし。
 ところが、1968年にキング牧師が暗殺されたとき、全米で抗議の暴動が多発するなか、彼がコンサートを行ったボストンだけは、彼の呼びかけで暴動発生を免れたという逸話があることを今年になって知りました。Inter FMの〈バラカン・モーニング〉で聞いたのだけど、これ、音楽ファンのあいだでは有名な話だとか。みなさんはご存じでしたか?

 こちらはピーターさんが番組ウェブサイトで紹介していたリンク。キング師暗殺の翌日、JBがひらいたコンサートに関する特集番組の映像が見られます。特に下の2本を見ると、ほかの都市で起きた暴動の激しさ、緊迫感がわかると思います。





 JB自身、当日ステージにあがるには身の危険があったそう。実際、↑の映像には興奮した観客が多数ステージにのぼってしまって、それをJBが落ち着かせるという場面が映っています。彼はコンサート開始前から「平静を保つことでキング牧師を称えよう」と訴えていて、このコンサートの様子がテレビで生中継され、市民がそれを視聴するために家に留まったことが暴動抑止につながったと言われているそうです。
 
 アメリカで公民権法が制定されたのは1964年なので、今年でちょうど50年なんですね。マイケル・ジャクソンが亡くなったとき、彼は1958年生まれだったと知り、つまりマイケルが幼いころはまだ公民権法が成立していなかったんだと愕然としたのを憶えています。公民権運動ってそんなに遠い昔のことではないんですよね。

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デュフィ展

(2014/7/9)
 Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されているデュフィ展に行ってきました。

 詩人であり美術批評家でもあったギヨーム・アポリネールは、デュフィを「不遇にして、偉大なる画家」と評したそうです。社会や生活の明るい側面を鮮やかな色彩と軽やかなタッチで描いたことが災いして、不当に軽んじられてしまったのだとか。大きな美術展で受賞したりはしているんですけどね。
 今回の展覧会は油彩のほかに素描、版画、テキスタイル、服飾、陶器、家具など、多種にわたる作品を展示してデュフィの本質に迫ろうというもの。

 デュフィを知ったのは何年前だろう。前に大丸(東京)で展覧会が催されたときは、時間的に余裕がない時期で行けなかったのです。日本ではそんなにたびたび個展が開かれる画家ではないと思っていたので、今回の開催を知ったときはとても嬉しかった。でも、いま調べてみたら、わたしが憶えていたデュフィ展は2006年だったらしい。もう8年も経っていたのか……。

 デュフィらしい明るい色遣いの作品ももちろんよかったけれど、今回印象的だったのは版画やテキスタイルデザイン。
デュフィ
↑こちらはその葉書。左のミミズクがギヨーム・アポリネール『動物詩集あるいはオルフェウスとそのお供たち』の挿画。右の2枚がビアンキーニ=フェリエ社(リヨンの絹織物会社)のためのテキスタイルデザイン。手前は「チャーリー・チャップリン」です。

 デュフィがデザインした布を使ったドレスも展示されていました。デュフィが服飾に関わるようになったのは1909年にファッション・デザイナーのポール・ポワレと出会ったことがきっかけだったそう。ポール・ポワレはハイ・ウェストのドレスを発表して女性をコルセットから解放したことで有名なんだとか。

 展示作品一覧を見てみると、意外と日本の美術館所蔵の作品も多かったんですけど、約半数は海外(おもにパリ国立近代美術館、パリ市立近代美術館)から運ばれてきたもの。今回に限らず、美術展に行って数々の作品を前にすると「はるばる日本まで来てくれてありがとう」という気持ちになります。輸送に携わった方々にも感謝。

 平日に行ったのですが、1時間半ほどでわりとゆっくりまわれるかなという感じでした。7月27日まで開催。

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翻訳書ドミノ 第6回

 えー、いきなりですが前言撤回です。前回の翻訳書ドミノでつぎは短篇集につなぎたいと書きましたが、先日読了した本がとてもよかったので、“タイトルに地名がはいっている”つながりで、こちらの本につなげたいと思います。ちょっとだけネタバレありです。

マルベリーボーイズマルベリーボーイズ
(2009/10)
ドナ・ジョー ナポリ

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“マルベリー”はニューヨークのマルベリー・ストリートのこと。19世紀末、イタリア系移民が集まって暮らしていたニューヨークのスラム街です。主人公のドムことベニアーノがたった9歳で単身ニューヨークへ密航させられ、そこでたくましく生き抜いていく様子が描かれています。著者ドナ・ジョー=ナポリの祖父がドムのモデルだとか。
 19世紀末のスラム街の不衛生さ、悲惨さは読んでいてつらくなるときもありました。ドムが商売を始めてからは少年のサクセスストーリー的一面も帯びてきますが、パドローネ(イタリアからの移民を手引きし、アメリカで働かせて金を巻きあげる仲介人)や敵対するストリートキッズの影がちらつくので、展開はつねにサスペンスフルです。
 ドム、一匹狼のストリートキッドであるガエターノ、青果店の主人グランディネッティ、グランディネッティの店の客で未亡人のシニョーラ・エスポジート――みんな、ニューヨークで生き抜くために最初は警戒し合っていたけれど、徐々に相手を信頼し、心を開いていく様が秀逸。
 本作中でいちばん心に強く残る登場人物と言っても過言ではないのがピエトロ。彼はパドローネの元で物乞いをさせられていたんですが……もうね、わたしが大好きな『テメレア戦記 Ⅰ』に登場するレヴィタスと重なるところが多くて、ピエトロがたどる運命には泣いてしまった。
 数年前、某所で本書が話題にのぼり、とてもよいと聞いたので購入しました。ヨーロッパから移民が押し寄せてきた当時のアメリカ、人種間の差別や対立などについて知ることができ、大人も子供(小学校高学年以上)も楽しめる良書です。


プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
Twitter: @rhiroko
Instagram:@reepicheeph
Fedibird(マストドン):@rhiroko
Bluesky:@rhiroko
タイッツー:@rhiroko
訳書一覧はWorks 仕事をご覧ください。

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