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〈第二章〉

(2014/05/28)
 きょうは先日急遽、当日券で観てきた宝塚専科特別公演〈第二章〉について。原作/ニール・サイモン、脚色・演出/石田昌也、翻訳/福田陽一郎、青井陽治による登場人物4人だけのコメディ。ミュージカルではなくストレートプレイです。
 最愛の妻に先立たれた悲しみから立ち直ろうとするジョージ(轟 悠)がバツイチになったばかりの女優ジェニファー(夢咲ねね)と出会い、再婚。幸せな新生活へ踏み出したかと思いきや――というストーリー。ジョージの弟役が英真なおきさん、ジェニファーの親友役が早乙女わかばさん。
 おもしろかったです! ニール・サイモン作品の舞台は前から興味はあったものの、実際に観るのは初めて。都会的でテンポのいいしゃれた会話劇が好みでした。会場は日本青年館の大ホール(1360席)だったんですけど、シアタークリエ(609席)あたりで観てみたい気がしました。
 轟さんはジョージ役には容姿端麗すぎる気がしましたけどね(笑)、こちらのインタビュー記事を読むと、性格的にはジョージと似ているそうな。今回、わたしにとって新鮮な驚きだったのは夢咲ねねさん(現在星組娘役トップ)。わー、こういう役をこういうふうに演じられる女優さんなんだ!と。ジョージより年は下だけど人間的には大人なところがあるジェニファー役に、外見はかわいすぎるというか若すぎる気もしたんですが、でも演技がとてもしっくりきて惹きつけられました。宝塚退団後も(ってまだ先のことと思いますが)舞台で活躍されるんじゃないかな。
 本篇終了後は突然の歌謡ショー(笑)。英真さんと早乙女さん、さすが歌うまし。選曲など、本篇とのつながりは「?」でしたけど、昭和な雰囲気の会場にぴったりで楽しめました。こちらのブログを読んでくださっている方が教えてくださったんですが、今回の演出の石田さんはヅカ版『蒲田行進曲』を担当された方で、だからああいうフィナーレになったのかもとのことでした。なるほど!

 ところで、ニール・サイモンて映画の『名探偵登場』『名探偵再登場』の脚本も担当していたんですね! 知りませんでした。どちらもはるか昔に観たきりだけど、パロディセンスがよくてすごく楽しかった記憶が。



 あと娘のエレン・サイモンが原作・脚本の映画『ムーンライト&ヴァレンティノ』も大好きです。

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本とテクノロジーが交差する場所

(2014/05/23)
 ロビン・スローン著『ペナンブラ氏の24時間書店』(東京創元社刊)が発売になってから1カ月ほどたちました。お読みいただいた方にはおおむね好評のようで嬉しいです。お陰様で重版も決定致しました。

ペナンブラ氏の24時間書店ペナンブラ氏の24時間書店
(2014/04/21)
ロビン・スローン

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 そこで、重版決定記念というわけでもないですが、今回は本書にまつわるトリビア的なことを2件ご紹介したいと思います。

☆フェスティナ・レンテ・マーク
 24時間書店で働くようになった主人公のクレイが店でたびたび耳にする言葉、それが“フェスティナ・レンテ”です。“フェスティナ・レンテ”は大辞泉にも載っているラテン語のことわざで、“ゆっくり急げ”という意味。ローマ皇帝アウグストゥスの言葉と言われているとか。
 スピードと慎重さのバランスを説いたこのことわざのシンボルとして、“海豚と錨”のマークがローマ時代から使われてきたそうです。そして本書でたびたび名前が登場する16世紀の印刷業者アルドゥス・マヌティウスはこれを自分の(印刷所の?)ロゴマークとして使っていたとのこと。クレイたちは本書の第二部で〈海豚と錨亭〉というパブを訪れるんですが、この店名はこのロゴマークから取られたにちがいありませんね。
 以上のことを教えてくれたのはこちらのページ。 マヌティウスが使っていたロゴマーク、かっこいい!

☆オーディオブック
 本書では紙の本と電子書籍の今後が重要なテーマのひとつになっていますが、オーディオブックも登場します。オーディオブックを初めて聴いてみたクレイが読書との違いについて述べる箇所があるので引用します。

オーディオブックを聴くのは初めてだけど、読書とはまったく異なる経験だ。本を読んでいるとき、物語は間違いなく頭のなかで繰り広げられる。耳で聴くと、頭のまわりの小さな雲のなかで繰り広げられているように、ふわふわした毛糸の帽子を目深に引きおろしたみたいに感じるんだ。

↑この“毛糸の帽子を目深に引きおろしたみたいに”という部分は、わたしが本書のなかで特に好きなフレーズのひとつです。
 本作の原書はオーディオブック版も出ているので、参考に聴いてみました。そうしたら! 1回目は気がつかなかったんですけど(汗)、2回目に聴きなおしたときにあることに気づき、びっくりしました――というか正直、焦りました。
 未読の方の興をそいでしまうかもしれないので、これについては詳しく書くことを控えますが――とはいえ、訳者が焦ったというと、察しのいい方はだいたいどんなことか想像がつくかもしれませんね(笑)――著者がオーディオブック版でちょっと遊んでいる箇所があることだけお知らせしておきます。ご興味のある方は原書もしくは邦訳版をお供にオーディオブック版を聴いてみてください。

 この記事のタイトル“本とテクノロジーが交差する場所”も本書に出てくる、そしてわたしが好きなフレーズのひとつです。これこそ、いま著者ロビン・スローンがいる場所なんじゃないかなーと、若干の願望も込めて思っています。

未読の方のために:
米光一成さんによる解説が全文掲載されているウェブページ
洋書コンシェルジュ渡辺由佳里さんによる原書レビュー

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レディ・ベス

(2014/05/17)
 観劇記が続きますが、今回はGW中に観た〈レディ・ベス〉。日本でも大ヒットしたミュージカル〈エリザベート〉の作詞作曲コンビ、リーヴァイ&クンツェの新作です。
 王位に就く前のエリザベス1世に焦点が当てられ、エリザベスも含めて主要な役はほとんどダブルキャスト。わたしが観た日の配役は次のとおり。

レディ・ベス(エリザベス):花總まり
ロビン・ブレイク(エリザベスの恋人・架空の人物):加藤和樹
メアリー1世(エリザベスの姉):吉沢梨絵
フェリペ(スペイン王子):平方元基
ロジャー・アスカム(エリザベスの家庭教師):石丸幹二

 このほかエリザベスの教育係キャット・アシュリー役が涼風真世さん、母のアン・ブーリン役が和音美桜さん。
 いや、この舞台は本当に歌のうまい人集めましたね~。わたしが観たミュージカルのなかで、ここまでそろって全員の歌がよかったのは初めてかも。特に花總さん、涼風さん、和音さんの宝塚出身者がよかった。宝塚出身でも歌があまり得意ではない人もいるし、男役の時はよかったけど、普通のミュージカルで女性を演じるとうまさが充分に発揮されない人もいると思うんです。個人的には〈マリー・アントワネット〉の時の涼風さんがちょっと残念だった。曲と涼風さんの得意とする音域がいまひとつ合ってない気がして。今回は彼女が切々と歌いあげるのは一曲だけだったけれど、でも低音で聴かせるところがすばらしくよくて嬉しかった。宝塚時代の涼風さんはナマで観る機会がなかったんですが、わたしが特に好きだったのはこちらのレヴューの↓彼女だったもので(苦笑)。


 
 今回〈レディ・ベス〉を観ていて、姉のメアリー女王とは何歳差だったんだっけ?(→17歳差)とか、ヘンリー8世は何回結婚したんだっけ?(→6回)とか、いろいろ忘れてたり、わかってなかったりした部分に気がついたので、いまさらながらこちらのテレビドラマを観はじめたところ。焦点を当てている部分が異なるので、アン・ブーリンの描かれ方が〈レディ・ベス〉とは大いに違います。視聴者にわかりやすくするため史実を少し曲げている部分もあるようなので、その辺は気をつける必要ありですが、ヘンリー8世とその時代について知るにはおもしろそう。ヘンリー8世、ジョナサン・リース・マイヤーズが演じるのはかっこよすぎな気もしますが、若いころはなかなか魅力的だったという説も。
 本と映画ではもちろん、こちら↓がありますね。

ブーリン家の姉妹〈上〉 (集英社文庫)ブーリン家の姉妹〈上〉 (集英社文庫)
(2008/09)
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ブーリン家の姉妹 コレクターズ・エディション [DVD]ブーリン家の姉妹 コレクターズ・エディション [DVD]
(2009/04/01)
ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン 他

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 ミュージカル〈レディ・ベス〉はエリザベス1世が王位に就くまでのお話ですからね、かなり清純な内容。わたしたちが観た日はメアリー役の吉沢さんの出身高校が団体で観劇に来てました。宗教戦争などに興味を持つきっかけにもなるだろうし、学校単位や親子での観劇に向いてそう。ドラマの〈THE TUDORS〉とは対極です(笑)。

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ラスト・タイクーン――ハリウッドの帝王、不滅の愛――

(2014/05/09)
 ナポレオンの観劇記にちらっと書きました、蘭寿とむさんの退団公演〈ラストタイクーン/TAKARAZUKA 夢眩〉を先日観てきました。

 ミュージカルの〈ラスト・タイクーン〉は一幕だけでラストまで持っていき、二幕はまるまるレヴュー〈TAKARAZUKA 夢眩〉という構成。わたしは華やかで別世界度マックス(笑)の宝塚レヴューが大好きなので、とっても楽しかった! 

2014-05-08 レヴュー(800x450)
(公演プログラムより)

 これまでに観たなかでは確か〈ドン・カルロス/Shining Rythm!〉がやはり二幕まるまるレヴューでとても満足した記憶があります。

 今回は退団公演ということで、そこここに蘭寿さん個人と重なる歌詞・演出が! 〈ラスト・タイクーン〉は1930年代ハリウッドの労使対立が背景にあるんですが、物語の終盤、現場スタッフが主人公の映画プロデューサー、モンロー・スター(蘭寿さん)についていこうと一致団結するシーンは、花組を率いる蘭寿さんと組子さんたちの関係にもろ重なっている気がして胸が熱くなりました。
2014-05-08 タイクーン(800x450)
(公演プログラムより)

 蘭寿さんの舞台、トップ就任公演の〈ファントム〉を観たのはもちろん憶えていたんですが、その少し前に宙組二番手として出演してらした〈誰がために鐘は鳴る〉も観ていたことにこのあいだ気がつきました。
20140508_151028 (800x450)
(公演チラシ)

 当時はいまに輪をかけて誰が誰やらわからないままの観劇だったので(汗)。

 蘭寿さん、花組→宙組の組替えを経験して、もう一度花組へ異動すると同時にトップ就任だったんですね。先日放映されたNスペで、同時期に退団する下級生(月央和沙さん?)が稽古中に蘭寿さんと握手して泣いていたのが忘れられません。〈ラスト・タイクーン〉の稽古初日の「信じてついてきて下さい」という蘭寿さんの言葉も。ああいう台詞が言えなければ、組は率いていけないし、観客を熱狂させることもできないんだろうなあ。トップまでのぼりつめるのも大変だけど、のぼりつめたあとはものすごく大きなものを背負わなければならなくてもっと大変そう。まあ、星組の柚希さんはそれをもう5年も続けているわけですが。
 この間のNスペはゆるめファンとしてはとても見応えがありました。

 今回はカード会社の貸し切り公演だったので、最後に男役トップとして蘭寿さんからご挨拶、開演前には組長さんからのご挨拶もありました。ふだん大劇場公演はカーテンコールがないので、これはちょっと嬉しいかも。「重い羽根背負ってるんだから、はやくあがってください~」という気もしましたが。

 ことしはあと10月の〈エリザベート〉(明日海さんのトップ就任公演)を観るだけにしておこうと思ったら(ってチケット取るの大変かな~)、日本青年館で7月に去年の〈ルパン〉のスピンオフ作品上演とかいうので、こちらも観たくなっています。ただ、わたしはまずもうちょっと役者さんの名前と顔を憶えなければ(苦笑)。

プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
Twitter: @rhiroko
Instagram:@reepicheeph
Fedibird(マストドン):@rhiroko
Bluesky:@rhiroko
タイッツー:@rhiroko
訳書一覧はWorks 仕事をご覧ください。

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