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〈テッド・ラッソ〉と『五次元世界のぼうけん』

(2021/7/15)



 とにかくおもしろいです、このドラマ! 海外ドラマ通の方はすでにチェック済みでしょうか。わたしは内容をよく知らず、「一話30分だし、そういえばこのごろコメディ観てなかったしな」と軽い気持ちで観はじめたらすっかりはまってしまい、本当にあっという間に観終わってしまいました。1シーズン10話なんて少なすぎる……というわけで実はいま2周目。

 “コメディドラマ”というジャンル分けや“破天荒コーチ”というサブタイトルから想像されるのとは、ずいぶん異なる雰囲気の作品です。確かに主人公のテッド・ラッソは破天荒だし、いっぱい笑わせてくれるのですが、このドラマを観ながら何度もわたしの頭に浮かんできたのは “heartwarming”という言葉でした。ドラマの詳しい内容はコメディと呼ぶには奥深すぎる『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』 - Apple TV+オリジナル作品レビューにとてもよくまとまっているので、こちらの記事をお読みになってみてください。

 さて、ここから本に関連したお話です。第1話からおもしろかったけれど、わたしがこのシリーズをますます好きになったのが第3話の「クリム記者の密着取材」を観て。低迷するサッカークラブの監督に就任したテッド・ラッソが、選手たちに本を贈る場面があるんですが、そのときちらっと見える本の表紙には“Orson Scott Card”や“F. Scott Fitzgerald" などの文字。「本なんていらねーよ!」とばかりにすぐ捨ててしまう選手もいるのですが……。そんななかチームのキャプテンでベテランのロイが渡されるのがA Wrinkle in Time(邦題『五次元世界のぼうけん』マドレイン・ラングル著・渡辺茂男訳・あかね書房)。この本は未読なんですけれど、レベッカ・ステッド『きみに出会うとき』(ないとうふみこ訳・東京創元社)に主人公の愛読書として出てきて以来、個人的にずっと気になっていた本なんですよね。『五次元世界のぼうけん』を渡されたロイは、いつも苦虫を噛みつぶしたような顔をしているものの、姪(やサッカーファンの子どもたち)にはやさしい、いい叔父さんで、彼がこの本を受けとったことから、チームに変化が——?という展開になるんです。どうでしょう、興味が湧きませんか? 本の内容はクリム記者によってさらっと紹介されるので、読んでいない人にもテッドがなぜロイにこの本を贈ったのかわかるようになっています。

 このドラマ、第2シーズンが7月23日から配信ということで、ものすごーく楽しみです。コロナ×オリンピックで「え、冗談でしょ?」というくらい世の中の嫌な部分がつぎつぎあぶり出され、疲れることが多すぎる毎日。少しでも心を健やかに保つ手段のひとつにしたいと思っています。あ、あと、このドラマは特に(?)英語音声×日本語字幕と、吹き替え×英語字幕を両方チェックすると翻訳の参考になることが多いかも。





↑『五次元世界のぼうけん』は2018年に映画化されていて、いまは配信で観られるようです。タイトルは〈リンクル・イン・タイム〉。




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〈頑固じいさん孫三人〉さようならウィルフォード・ブリムリー

(2020/12/29)

 少し前、あるおじいちゃんキャラのイメージをふくらませたいなと考えていたとき、80年代にNHKで放送されていた〈頑固じいさん孫三人〉というドラマを思いだしました。例によって詳しいことは忘却のかなた……なんですが、毎週楽しく見ていたことははっきり覚えています。当時の同級生2人と「あのドラマ、おもしろいよね!」と話したことも。うち1人がタイトルを『頑固じいさん三人』と言いまちがえ、もう1人が「頑固じいさんが三人も集まったら、話がぜんぜん進まないでしょ!」と言ったので笑ったなんてことまで。どうして、こういうどうでもいいようなことは記憶に残っているのか(苦笑)。



 このドラマについてググっていたら、残念なことに、頑固じいさんことガス・ウィザースプーンを演じていたウィルフォード・ブリムリーが、今年8月に亡くなっていたことがわかりました。御年85歳。え、ちょっと待って、ってことはガス役を演じていたときはまだ50代だったのか!と驚いたところ、その後検索を続けているうちに自分のトホホなTweetを発見。何度も驚くなよ、自分。どうせならこういうことを覚えていなさい、と言いたくなりました。Tweetまでしてたんだから。ま、そういう年齢だからしかたないか……。

 このドラマ、NHKで再放送してくれないですかねえ。第2シーズンはわたし、全部は観られなかったんです、たしか。2000年代にCSで放送されていたみたいなんだけど……。
 その後、ビバヒルに出演し、お騒がせ女優っぽくなってしまったシャナン・ドハーティーや〈ドクタークイン 大西部の女医物語〉にも出演したチャド・アレンのういういしい演技も観られます。
 このドラマの何が、わたしはそんなに好きだったんだろうと振り返ってみると、「明るくてフェア」なアメリカが、個性あふれる登場人物たちによって体現されているように感じて、それが観ていて気持ちよかったんじゃないかなと思います。当時はもう大学生で、たとえばリンカーンやルーズヴェルトだって、児童向けに語られるような正義の塊みたいな人たちではなかったということも知っていました。それでも、子どものころ『若草物語』などで親しんだ、アメリカ人の倫理観やらユーモアやらが、現代に場所を移して描かれていると安心したというか。個々のエピソードを覚えていないのでなんですが(汗)、心温まる、よくできたホームドラマだったと思います。

 ウィルフォード・ブリムリーはほかに〈コクーン〉と〈ホテル・ニューハンプシャー〉に出ていたのを覚えていたけれど、〈ナチュラル〉や〈ザ・ファーム〉にも出演していたんでしたっけね。あああ、見直してチェックしたい。
 ウィルフォードさん、どうぞ安らかにお眠りください。あなたをイメージしたら、おじいちゃんのせりふがとても訳しやすくなりました。

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 さて、ことしも残すところ、今日を入れて3日となりました。新型コロナの感染拡大により、ことしはいつもと大きくちがう年末年始ですが、みなさま、どうぞお体にお気をつけてお過ごしください。新規感染者数が一日も早く減少し、医療関係者の方々の負担が少しでも軽くなるよう、わたしもできることを続けていきます。

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最近観た海外ドラマ

(2018/09/24)

 最近ひさしぶりに配信でちょこちょこと海外ドラマを観ています。観た/観ているのは〈ハップ&レナード〉〈ビッグ・リトル・ライズ〉〈私はラブ・リーガル〉〈シリコンバレー〉〈ウエストワールド〉など。

 あ、〈私はラブ・リーガル〉は配信ではなく、地上波でした。このシリーズ、なんとなく雰囲気を誤解していて、だからいまごろ観ているんですが、「気楽に楽しめる」と「しんみりする」のバランスがとてもよいです。“女性のためのテレビ局”とうたっているライフタイム・テレビの人気シリーズだったことに深くうなずきます。気分がドロドロ(?笑)しているときに観ると、元気になりました。

 〈ハップ&レナード〉は堺三保さんのこちらの記事を読んで観はじめました。原作は有名だけど、わたしは読んでいないので比較はできませんが、観応えのあるシリーズです。
 本も映画も少し前から残酷描写や暴力シーンが多い(と感じる)ものはちょっと避けるようになってしまっているので、正直このドラマも第1シーズンの最初のほうでは「このシーズンだけでやめておこうかな」と思っていたのですが、結局続けて第3シーズンまで観てしまいました。脚本がうまいんだろうなあ。俳優さんも派手じゃないけどよいです。
 ドラマの舞台となっているのは1980年代後半のテキサス州の田舎町。第1シーズンでは主人公たちが若かったころのヴェトナム戦争やヒッピー・ムーヴメントが、第2シーズンと第3シーズンでは黒人問題や人種対立がストーリーに深く絡んできます。個人的には第2、第3シーズンが特におすすめ。フィクションであることを忘れちゃいけないけれど、というかそう感じるくらいに、堺さんが書いていらっしゃる「いかにも南部の田舎町らしい息の詰まるような雰囲気」がひしひしと伝わってきます。

 〈ビッグ・リトル・ライズ〉は第2シーズンになんとメリル・ストリープも登場ということで、続きが楽しみ! この作品については、翻訳ミステリー大賞シンジケートのこちらの記事(〈よろしければこちらも〉のコーナー)に紹介されています。
 このドラマに関してわたしの言いたいことはひとつ——オープニングに出てくる双子の少年(ニコール・キッドマンの息子役)の映像がリアル・ジルベール!なのです。『風と木の詩』のジルベールをご存じの方はぜひ一度ご確認を。
 そういえば『風と木の詩』をやっと最後まで読みました。途中まで読んだのは高校時代。当時よりも大人になったいまはもう少し楽に読めるかと思ったら、かえってつらかった……大人になったほうがキツい作品もあるんだということを知りました。

 〈シリコンバレー〉と〈ウエストワールド〉については、また別の機会に書くかもしれません。

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線路は続くよ、どこまでも

(2016/06/05)
 
 気がつけば6月(汗)。ちょっと更新の間隔が空いてしまいました。
 さて、今回は思い出に残っているドラマ吹き替えのお話です。
 80年代に日本でも放送されていた〈ファミリー・タイズ〉を観ていたときのこと。
 いまは亡きリバー・フェニックスが、14歳にして大学院生という天才少年ユージーンの役でゲスト出演。主人公(マイケル・J・フォックス演じるアレックス)の妹、ジェニファーに恋をするという回でした。



 途中、ジェニファーから聞きたくないことを言われそうになったユージーンが両手で耳をふさいで、「せ〜んろは続く〜よ〜、ど〜こま〜で〜も〜」と歌いだすシーンがあったんです。たまたま録画を友人と一緒に観ていたため、「あの歌って英語の歌詞はどうなってるんだっけ?」という話になったのだと記憶していますが、音声を日本語から英語に切りかえてみたところ……。

 なんと、英語では"I can't hear you, I can't hear you!"と言っているだけだったんです。これ、好みが分かれるのかもしれませんが、わたしは「おもしろーい!」と思いました。まだ翻訳の勉強をする前でしたが、ああ、吹き替えってこういう工夫をするのか、と。「聞こえないもんね〜」などの台詞にするより、シットコムには合っていた気がします。

 と〈ファミリー・タイズ〉ネタを書いておきながらナンですが、当時はいまいちおもしろさがわからず、実はそんなに観ていなかったのでした。
 わたしがシチュエーション・コメディっておもしろいと思うようになったのは、ずっとあとになって〈ダーマ&グレッグ〉に出会ってからのような気がします。こちらも最初はそれほどでもなかったんですけど、じわじわと好きになり。さらに、コミカルな作品・場面を訳すときには、あのドラマのキャラクターやら雰囲気やらが、直接的にではなくても、いまでもどこかで参考になっている気がします。
 先日、昔からの友人がやはり〈ダーマ&グレッグ〉好きとわかり、盛りあがりました。


(↑わたしが好きなキャラはグレッグのパパとママ——特にママのキティ。ダーマたちの家のインテリアもかわいい)

 ここまで書いて、自分の記憶がこのごろ本当に当てにならないことを思い出したわたし。きょう書いた吹き替えの件が、どうかわたしの妄想でありませんように……。


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コバート・アフェア

(2014/08/14)
 いまHuluで〈コバート・アフェア〉を観ています。このドラマ、わりと突っこみどころがあって、さらにわたしは苦手ポイントがあるんですけど――それがどこかは敢えて秘す(笑)――それでも観つづけている理由はただひとつ。クリストファー・ゴーラム演じるオーギー・アンダーソンというキャラがすっごくいいのです!

オーギー
オーギー2

↑この容貌でCIAの技術運用部(おもにIT担当なイメージ)というと、最初は〈スカイフォール〉でQを演じたベン・ウィショーとイメージが重なってしまい、二番煎じみたいでイマイチかなと思いました。でも、実際はウィショーくんのQ(2012年~)よりもオーギーのほうが先発(2010年~)。あと、元は特殊部隊隊員という設定なので細マッチョという点がQとの違いかな。

オーギー・アンダーソン:AUGGIE ANDERSON
元CIA軍情報部特殊部隊隊員。
新人のアニーを支える頼もしい存在。
任務遂行中イラクで爆弾をうけ失明し、現在はDPD(The Domestic Protection Division:国内防衛部)内の技術運用部を仕切っている。経験豊富で頭脳明晰。CIAで何が起こっているのか、その規模の大きさと複雑な制度を隅から隅まで理解している。アニーの賢さはもちろん、素のままの彼女を理解しており、彼女の直感を信じて任務を遂行できるように導く存在。
盲目でありながら物怖じせず、常に前向きな姿勢を保ち、さらにユーモアのセンスを持つ、CIAの生き字引のようなオーギーを、アニーも常に信頼している。
(〈コバート・アフェア〉日本語サイトからの引用)

↑もう“これでもか!”というほど女性視聴者好みの設定がてんこ盛りになったキャラ。上記に補足すると、失明しても女性関係は派手なまま。昔の彼女や旅先でのアバンチュール相手などがちょこちょこ登場します。

 苦手ポイントがありつつも、いまシーズン2の13話目まで来たところ。我慢しながら観ていると、萌えポイント(登場人物)がさらに魅力的に見えてくることを知りました(苦笑)。

 いや、それにしてもクリストファー・ゴーラム、どこかで見た顔だなとは思いましたが〈アグリー・ベティ〉でヘンリーを演じていた俳優さんとは……同一人物に見えない! 〈アグリー・ベティ〉はシーズン2か3で脱落しちゃったんですけど、ヘンリーが出てくるところだけチェックし直そうかしら。
アグリー・ベティのヘンリー


 オーギーに萌えながらも、彼を見てすぐ思い出したのがこちらの↓小倉一郎さん。
小倉一郎
 名前も出演作も覚えてなかったからググるのにも苦労してしまった。似てません?
むかーしの学園ドラマでよく弱気でナサケナイ役を演じていたけれど、元はハンサムな人ですよね。

 そうそう、海外ドラマを観るときに参照しているのがこちらのページ。堺三保さんによる海外ドラマ評が見やすい一覧になっているので、「そういえば堺さんはこのドラマについてどんなことを書いていらしたっけ」と振り返ってはうなずいたり、にやにやしたりしています。

 ところで、このドラマでCIA機密部長を演じているピーター・ギャラガー、わたしが持ってる〈Guys & Dolls〉ブロードウェイ版CDでは映画でマーロン・ブランドが演じたスカイ・マスターソン役が彼です。歌もうまいんですよね、彼。
guys dolls

プロフィール

島村浩子

Author:島村浩子
東京下町在住の翻訳者。ミステリ・ロマンス・ノンフィクション・児童書など訳してます。本のほかに映画・洋楽・ミュージカルが好き。
Twitter: @rhiroko
Instagram:@reepicheeph
Fedibird(マストドン):@rhiroko
Bluesky:@rhiroko
タイッツー:@rhiroko
訳書一覧はWorks 仕事をご覧ください。

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